今年25年目を迎えたJリーグ。村井チェアマンの下で、今後、どのような発展を遂げられるのか注目したい。(C)SOCCER DIGEST

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 1993年の5月15日に開幕したJリーグは、25シーズン目に突入した。その歴史のなかでいろんな出来事があった。当初の参加は“オリジナル10”と呼ばれる10チームのみだったが、1999年にはJ2が開幕し、2014年にはJ3が新設された。クラブ数は年々、増加している。今年もJ3にはアスルクラロ沼津が新規参入した。
 
 さらにレギュレーションも目まぐるしく変わったね。一時は2ステージ制から1シーズン制に変更され、2015年に2ステージ制に戻ったかと思ったら、今年から再び1シーズン制が導入された。さらにJ1・J2の入れ替え戦やチャンピオンシップが開催されたり……、これだけ多岐に渡って変化するリーグも珍しいんじゃないかな。
 
 こうした試行錯誤を経たJリーグだけど、正直、年を重ねるごとに魅力を失っているのが現実だ。今、お金を払ってでもスタジアムで観たい選手ってどれだけいるのか。かつてはジーコ、ジョルジーニョ、レオナルド、ドゥンガら、スーパ―スターがピッチで活躍していた。でも、それは遠い昔の話だ。
 
 今夏にはヴィッセルにポドルスキが加入するけど、ドイツ代表などで見せていたワールドクラスのプレーを、日本でも披露できるかは未知数だよ。現に2014年にセレッソに加入したフォルランは、実力の半分も示せないまま日本を去った。それに、ヴィッセルに続いて、「じゃあ、うちも大物選手を獲得しよう」という意気軒高なクラブが存在しないのも寂しい。これでは、タレントの質はますます落ちていくだけだよ。
 僕は以前からクラブ数を増やしたことが、リーグ発展の足枷になっていると感じていた。各地にプロクラブが誕生すれば、地元の人たちは喜ぶのかもしれない。でも、経営に苦しんでいるクラブが多いのが実情だよね。
 
 つい最近の話では、J2のV・ファーレン長崎が約3億円の累積赤字を抱えていることが発覚した。地元企業のジャパネットホールディングスの創業者である郄田氏が新社長に就任し、再建に乗り出すようだけど、こういった資金面で問題を抱えるクラブは過去にいくつもあった。
 
 チーム数が増えれば、自ずと観客の数は分散される。するとクラブの収入は減少する。Jリーグは多くのクラブを誕生させてきたけど、その後のフォローはあまり考えていないようだ。そこはプロクラブだから自分たちの手で生き残っていくしかないのかもしれない。でも、それではなかなかクラブは育たないよ。
 
 だからこそ、Jリーグはクラブ数を増やす前に、選手の育成面に力を入れてもらいたい。最近のJリーグが魅力をなくしているのは、さっきも話した通り、ファンやサポーターがスタジアムで「観たい!」と思える選手が減っているからなんだ。ただ、選手の移籍金が高騰している今のサッカー界では、ヨーロッパからトッププレーヤーを引っ張ってくるのは簡単なことではない。では、どうすればいいか。ひとつの案として、優れた才能を持った日本人選手を自国で育てるしかないんだ。
 そしてこの点はメディアも意識しなくちゃいけない。最近は主にFC東京U-23でプレーする久保建英の報道が過熱している。先日、久保はルヴァンカップに初出場し、多くの媒体で取り上げられた。
 
 ただ、メディアが持ち上げ過ぎている感はある。これだけちやほやしておいて、彼がプロ選手になった時に活躍できなかったらどうするんだろうね。恐らく、一斉に興味を失うんじゃないかな。競技は違うけど、野球の斎藤佑樹なんかが良い例だよ。もう少し温かい目で見守る姿勢も必要だと強く感じるよ。
 
 また、横浜FCのカズが50歳と14日で最年長ゴールを奪ったとか、藤枝MYFCでGKコーチを務めていたシジマールが現役復帰をしたとか、ベテランに関するニュースばかりが目立つのも寂しいよね。
 
 それこそ、僕が現役復帰をして試合に出れば、多くのメディアが取り上げてくれるのかな。それは冗談として、要は良い若手が出て来ないと、Jリーグに明るい未来はないということだ。今後40年、50年と魅力のあるリーグになっていくためにも、現状を変える策を練ってもらいたい。