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 警視庁と所轄の確執、警察内部の戦いを描くドラマ『小さな巨人』(TBS系)が、5月14日に第5話目を迎えた。「芝署編完結!」と銘打たれた今週は、ドラマ前半戦のクライマックス。事件の黒幕である三笠署長(春風亭昇太)を追い詰める、畳み掛けるような物語展開の中で、香坂真一郎(長谷川博己)の迫力ある演技が、多くの視聴者の胸を打った。

参考:和田アキ子「私は現実の巨人ですよ(笑)」

 物語が最高潮へ向かったのは、三笠が証拠品保管庫に隠した事件の手がかりを、香坂率いる所轄メンバーが探し当てるシーン。5000ある証拠品の中からリストに載っていないものが、三笠が隠した証拠品。事件の犯人である中田隆一(加藤晴彦)が、朝の飛行機のフライトで海外へ逃亡するまでに、それを見つけなければならない。

 膨大な数の前に所轄の面々は諦めかけるも、敵であったはずの捜査一課が、小野田義信(香川照之)の命令で保管庫へ合流。香坂が指揮を執ることを命じられるのだ。顎に手を当て少し考え歩く香坂は、集まった面々をこう激励する。「ここでは立場の違いは関係ない。ここにいる全員が同じ使命を持つ、同じ警察官だ! 我々は犯人逮捕に向けて必ず証拠品を見つけ出す!」。捜査一課を含め、メンバーの顔つきが変わった。「諦めず、最後までこの国を見捨てずにやろう」と、鼓舞させていた映画『シン・ゴジラ』の矢口蘭堂(長谷川博己)を彷彿とさせるシーンだ。強い信念のもと、巨大な敵に立ち向かう姿、それに周りの人間が奮い立たせられていく構図は、2作品の間で通ずるものがある。

 見つけた証拠品をもとに犯人の中田を取調室へと追い詰め、慌てて三笠が取調を見届けに来る場面は、特に印象深かった。事件の手がかりであるUSBの欠片を見せつけ、中田は犯行を認める。さらに、香坂はUSBを隠し持っていたのは、必死に取調をやめるよう叫び続ける三笠であると問い詰める。取調室の中からは、外で傍聴している三笠の姿が見えない。しかし、首をグルリと横に向け睨みを利かせながら「三笠署長、あなたですよね?」と、言い放つ姿は圧巻の一言だ。そこから、香坂は部下、仲間と探し当てた証拠品を武器に、敵である三笠へ捲し立て“正義”を貫く。右手をマジックミラーに勢いよく押し当て、「あなたは犯罪者だ!」と叫ぶ長谷川の演技力は、作品毎に凄みを増している。

 次週の第6話目からは「豊洲署編」に突入。メインキャストはそのまま、ユースケ・サンタマリア、梅沢富美男、和田アキ子といったキャストが追加される。「敵は味方のフリをする」ーードラマのキャッチコピーであるこのセリフを、三笠は香坂にしたり顔で断言する。ドラマの後半戦で、どのような展開が待っているのか。いずれにせよ、脂が乗った長谷川の演技力は、豊洲署編を盛り上げていくはずだ。(渡辺彰浩)