北朝鮮当局は、外国人の金日成主席、金正日総書記の銅像の訪問を禁止する措置を取った。米国の北朝鮮専門ニュースサイト、NKニュースが報じた。

匿名を要求した情報筋は、当局は先月末、平壌市内の万寿台(マンスデ)にそびえ立つ金日成主席、金正日総書記の銅像への訪問を禁止した。理由の説明はなかった。訪問を予定していた外国人観光客は、急なスケジュール変更を強いられた。

先週、平壌を訪れた外国人観光客がデイリーNKジャパンに語ったところによると、バスで銅像の前を通過しただけで、銅像の訪問はできなかった。一方、北朝鮮の一般国民は訪れていたとのことだ。

銅像は、平壌を訪れた外国人観光客が有無を言わさず訪問させられる場所となっており、10ユーロ(約1240円)で買った花束を捧げるのが恒例行事のようになっていた。

朝鮮中央通信は先月20日、米国が生物・化学兵器で北朝鮮を攻撃しようとしていると非難する記事を配信したが、銅像の訪問禁止はこれと関係している可能性があるとNKニュースは分析した。

(関連記事:北朝鮮民間団体「米国の化学戦争挑発策動を座視しない」) 

銅像の警備は、2012年に「米国と韓国が銅像を破壊しようとしている」と北朝鮮メディアが報じて以降に強化され、花束を捧げるには、保安要員の検査を受けなければならなくなったとNKニュースは報じている。

しかし、2015年春に平壌を訪れた外国人観光客はデイリーNKジャパンの取材に対し、銅像訪問に際して荷物や花束を検査されることはなかったと述べた。

米ジョンズ・ホプキンス大学のカーティス・メルビン研究員は、今回の訪問禁止は軍事作戦とは関係がなく、指導者の偶像化強化の一環だと指摘した。

外国人観光客は、銅像に向かって中指を立てたり、銅像の前で逆立ちやバック転をしたり飲食をしたりするなど「不敬」な行動を取ることがある。

また、不適切な服装で訪問したりする人が多いという。当局の担当者から大目玉を食った上で、最高200ドル(約2万2800円)の罰金を払わされた人もいるというが、このような行動を自国民に見られると、最高指導者の威厳に傷がつくと当局は見ているのだ。

一方、別の平壌居住者によると、錦繍山(クムスサン)太陽宮殿への外国人の訪問も5月初めから禁止された。ただし、こちらは過去にも同様の事例が何度もあった。