スリムなボディに落とし穴が

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【美と若さの新常識〜カラダのヒミツ】NHKBSプレミアム2017年5月10日放送
内側からキレイに! デトックス力を上げろ

若くてやせていて、しかも野菜をしっかり食べているから健康そう――。こんな周囲がうらやむダイエットの成功者に見える女性に最近、「隠れ脂肪肝」が増えている。

脂肪肝は「万病のもと」といわれる恐ろしい病気だ。お酒が好きな肥満の中年オトコがなるというイメージがあったが、それは古い常識。キレイとスリムを目指す女性が陥るダイエットの落とし穴に番組は迫る。

「細い」「甘い物好き」「過度のダイエット」が3悪

番組では冒頭、毎日ダイエットに励む34歳のOLエリさんの日常に密着した。晩ご飯はコンビニで買った大きなパックの野菜サラダだけだ。

エリさん「(パクパク食べながら)来週、合コンがあるから頑張らないと」

しかし、その後にエリさんが冷蔵庫から出して食べた物がよくなかった。アイスクリームだ。「今日一日頑張った自分へのご褒美だからいいでしょう」というエリさんに、MCのお笑い芸人・後藤輝基がダメ出しをする。

「アイスクリームは完全にアウトな食べ物です。脂肪肝になり、体の中の最大の臓器、肝臓を傷めかねない行為です」

肝臓に脂肪がたまり、フォアグラ状態になるのが脂肪肝だ。今や日本人の4人に1人が脂肪肝といわれる。従来は軽い病気と考えられてきたが、最近、脂肪肝から肝炎になり、肝細胞が破壊されて肝硬変や肝臓がんへ進行することがわかった。また、糖尿病など様々な生活習慣病のリスクを高める報告もある。

肝臓病治療の第一人者、東海大学の西崎泰弘教授はこう警告した。

「最近、若い女性に脂肪肝の予備軍になる人が非常に増えています。彼女たちの特徴は、次の3つです。『若くてやせている』『甘いものが好きで、お酒も好き』『過度のダイエットをしている』。見た目はやせているか、あるいは少なくとも太っていないので、脂肪肝にはとても見えない。だから、『隠れ脂肪肝』と呼んでいます」

肉をしっかり食べないから肝臓が悲鳴

スタジオで21歳の女性ミドリさんの肝臓をチェックした。153センチ、43キロのスリムな体型。モデルと見まがうほどの美人だ。ゲストのタレント、はるな愛らから「可愛い〜」「細〜い」という声があがる。西崎教授が超音波測定装置をミドリさんの肝臓部分に当て、肝臓の脂肪量を測った。数値が300以上だと肝臓組織の3割以上を脂肪が占め、脂肪肝になる。200以上だと1割以上を脂肪が占め、脂肪肝予備軍、つまり隠れ脂肪肝となる。ミドリさんの数値は209だった。隠れ脂肪肝だ。

はるな愛「うっそ〜! こんなにキレイなのに!」
MCの後藤「(ミドリさんに)食生活で何か思い当たるふしはありますか」
ミドリさん「(苦笑しながら)私、野菜はちゃんと食べていますが、ジャンクフードが大好きで、フライドポテトとかアイスクリーム、けっこう食べちゃいます」

ゲストのはるな愛の肝臓もチェックすると、206だった。こちらも隠れ脂肪肝だ。はるな愛は「ショックです。何がいけないのでしょうか」と西崎教授に聞いた。西崎教授はこう説明した。

「皆さん、肉をあまり食べていないことが原因です。タンパク質が不足しているのです。野菜を食べているから健康だろう、アイスクリームを食べてもカロリー制限の帳尻が合っていれば大丈夫と思ってしまう。肝臓は人間にたとえれば、10人の話を一度に聞いた聖徳太子のような働き者です。体内から様々な栄養素や老廃物が運ばれてきて、次々にさばいていきます。老廃物は解毒し、同時に、栄養は使いやすい形に合成しています。その肝臓の働きを支えるのがタンパク質です。タンパク質が不足すると、血流が滞り、処理できなかった老廃物がどんどん脂肪に変化して肝臓にたまり、脂肪肝になるのです」

脂肪肝に効く「豚しゃぶ」と「マグロ・タコサラダ」

ここで、西崎教授のアドバイスで考案した、肝臓の機能を高める番組特製のメニューを2つ紹介する。脂肪肝の改善効果もあるという。

【マグロとタコのアーモンドサラダ】

(1)材料(1人前):マグロ(90グラム)、タコ(75グラム)、イカ(45グラム)、アボカド(2分の1個)、アーモンド(10グラム)、レモン汁(大さじ1)、タバスコ(小さじ1)、塩・こしょう(少々)。
(2)作り方:マグロは生のまま使う。タコとイカをオリーブオイルで軽く炒め、レモンが効いた調味料をアボカドと混ぜ合わせる。アーモンドをトッピングして出来上がり。

【豚肉のしゃぶしゃぶ】

(1)材料(1人前):豚肉.(150グラム)、アーモンド(10グラム)、味噌ダレ、白ゴマ(10グラム)、みそ(10グラム)、みりん(15グラム)、だし汁(大さじ2)。
(2)作り方:ゆでた豚肉に、すった白ゴマを加えた味噌ダレをかける。アーモンドを添えて、出来上がり。

この料理のどこが脂肪肝にいいのだろうか。

西崎教授「使われている食材は、実際の肝臓の治療にも使用されるものが含まれています。タコに含まれているタウリン。マグロと豚肉に含まれるバリン・ロイシン・イソロイシンは、分岐鎖アミノ酸と呼ばれるのですが、要するに肝臓にいい良質のタンパク質です。また、両方のメニューに入っているのがアーモンドに多いビタミンEです。ビタミンEは、現在、脂肪肝の治療に実際に用いられており、非常によく効くことが分かっています」