4万円台ハイスペック機の実力は? 起死回生をかけるXiaomi Mi 6レビュー
中国・北京に拠点を置くシャオミが2017年4月に発表したフラグシップスマートフォン「Xiaomi Mi 6」。シャオミはハイエンド製品を低価格で提供する企業としても知られており、今回のMi6もQualcommの最新チップセットであるSnapdragon 835プロセッサをいち早く採用、すべてのモデルにおいて6GBのメモリを搭載するなど、競合他社にも引けを取らないハイスペックを実現しながら中国本土で2499人民元(約4.1万円)からと比較的安価な価格設定をしています。今回、中国のECサイト「GearBest」より製品をお借りすることができました。レビューするモデルは64GBの内蔵メモリを搭載した最も廉価なものとなります。


▲白色基調のシンプルかつコンパクトな化粧箱


▲最初から純正のTPU製の保護ケースが付属しており親切仕様だ

▲急速充電技術Quick Charge 3.0対応の充電器が付属している

Mi6の化粧箱は白色を基調としたシンプルなデザインとなっており、中央にはシャオミのブランドロゴである「Mi」ロゴが印字されています。付属品は本体のほかに取扱説明書、SIMリジェクター、AC充電器、USB Type-Cケーブル、USB Type-Cから3.5mmイヤホンジャックへの変換ケーブル、TPUケースとなっており、製品を使い始めるにあたって必要なものがひと通りそろっています。中国で販売されているモデルに付属するAC充電器は日本でもそのまま流用可能なAタイプとなっています。


▲画面端は緩やかな2.5D加工が施されている


▲指紋認証センサーは表面下部に配置されている


▲背面は両端が大きくラウンドしており持ちやすいデザイン

本体は表裏面ともにラウンド加工を施されたガラス素材で構成されており、ほどよい光沢感があります。5.15インチのフルHD(1080×1920ドット)ディスプレイを採用しており、1nitから600nitまでの幅広い調光機能やブルーライトカット機能を有しています。表面下部には物理ボタンではない指紋認証センサーを搭載しており、センサーに触れるだけでディスプレイONからロック解除までの一連の流れを行なってくれるため、非常に快適です。

▲イヤホンジャックは搭載していないため使用するには変換ケーブルを用いる

本体にはイヤホンジャックが搭載されておらず、イヤホンを使用するには付属する変換ケーブルの使用が必須となっています。この点については賛否両論ではありますが、シャオミはイヤホンジャックを廃止した理由について「更に大きなバッテリーを搭載する為」と説明しており、イヤホンを余り使わない人にとっては納得の行く理由と言えます。また、Mi6は5.15インチサイズのスマートフォンとしては大きめな3350mAhバッテリーを搭載しており、電池持ちの面においても体感的には確かに良好と言えます。


▲デュアルカメラを採用し撮影品質を向上させている

背面には4軸の光学手ブレ補正を搭載した1200万画素のデュアルカメラを搭載。望遠・広角の2つのセンサーを組み合わせることで光学2倍ズームにも対応しています。


▲背面をラウンドさせたことによって片手でも軽々持てるサイズに

本体のサイズは145.17 x 70.49 x 7.45 mmとなっており、背面をラウンド加工させたことによって5.15インチと決して小さくはない画面サイズでありながらも持ちやすさを両立させています。本体重量は168g(セラミックモデルは182g)となっており、サイズを考えるとやや重めではありますが体感的には重いとは感じません。

▲2枚のnanoSIMカードを挿入可能

2枚のnanoSIMスロットを備えており、デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)に対応しています。残念ながら本体にはmicroSDカードスロットは備わっておらず、沢山のアプリや動画像を入れる予定がある場合は素直に128GB版を買った方が良いかもしれません。

▲AnTuTu benchmark(左)とGeekbench(右)の測定結果

Snapdragon 835プロセッサや6GBのメモリを搭載しているだけあって、ベンチマークソフトの測定結果もトップレベルのものとなっています。とりわけ、Snapdragon 835に搭載されているAdreno 540の影響は大きく、CPU自体のみでなくグラフィック性能の数値の伸びが顕著になっています。この結果は体感的に3D処理を多様するゲームプレイ時に特に表われており、明らかにゲームプレイ時の動作が軽快になったほか、操作に対する反応も機敏になっています。


▲東芝製のUFS 2.1規格対応メモリが搭載されていた

昨今、何かと話題になるストレージメモリの対応規格ですが手持ちのMi6で確認した所、UFS2.1規格対応の東芝製「THGAF4G9N4LBAIR」を搭載していました。正直UFS2.0と2.1での体感的な差は実感できないものの、供給があまり多くないUFS2.1メモリをしっかり搭載していたと言う点は評価できるでしょう。


▲MIUI 8.0のホーム画面はかなりカスタマイズされている印象

▲国内3キャリアのVoLTE通話も可能だった

OSにはAndroid 7.1.1ベースのMIUI 8.0を採用。LTE網を使用した高品質・低遅延なVoLTE通話にも対応しています。筆者が試用した環境ではdocomo、au、Softbank網を使用したVoLTEの発着信を確認することができ、現時点では珍しい複数キャリアのVoLTEサービスを利用することができる端末であるという点も魅力的です。

▲Xiaomi Mi6で撮影した作例

▲暗所における撮影はやや不向きだ

肝心のカメラ性能ですが、明るい場所の撮影やマクロ撮影においては非常に鮮明な写真が撮影可能なのに対して、暗い場所での撮影など悪条件が重なると非常に写真にノイズが乗りやすい傾向があります。普段使いとしては十五分の品質ですが、デュアルカメラを採用したメリットはあまり享受できない印象が拭えずやや残念に感じます。



シャオミは2010年の創業以来、ハイスペックな製品を低価格で提供することによって多くのユーザーを獲得し、中国だけでなくグローバル規模で見ても高いシェアを誇っていましたが、近年ではOPPOやvivoなどが台頭し、苦境に立たされています。創業当初は広告費用をかけずに口コミ主体で人気を集めましたが、昨年は中国の芸能人を起用した広告を展開しているほか、日本でも有名な初音ミクとのコラボレーションスマートフォンを発売するなど、その経営自体も大きく変化してきています。

また、既にデュアルカメラを搭載したスマートフォンは中国では多くのメーカーが販売しており、日本市場においてもファーウェイがLEICAと協業したデュアルカメラを搭載したスマートフォンを投入していることを考えると、シャオミの製品は他社の二番煎じという印象が拭えません。製品自体の品質は今までの製品と比べて格段に向上している一方、他社との差別化という面ではこのMi 6からは課題も多く見えてくるのも事実です。世界的に競争が激化している中で、カリスマ的な経営で一時は世界規模で見ても上位のシェアを獲得したシャオミの今後の動向にも注目です。