これからの活躍に期待してます!登壇した石橋静河

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 石橋凌と原田美枝子の次女で、女優の石橋静河が13日、新宿ピカデリーで行われた『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』初日舞台あいさつに池松壮亮、石井裕也監督とともに来場、初主演作の初日に緊張の面持ちを見せた。

 最果タヒのベストセラー詩集を実写映画化した本作。渋谷と新宿を舞台に、東京で生きづらさを感じる男女が出会い、恋に落ちるさまを描き出す。この日はあいにくの雨となったが、大勢の観客で埋まった場内を見渡した池松は「雨だと、初日の動員が下がると聞きました。(それなのに来ていただいて)ありがとうございます」とあいさつ。本作を振り返り、「最初に台本を読んだ時から本当にすばらしかった。これは傑作になるなと思いました」と誇らしげな顔を見せた。

 一方、本作が初主演作となる石橋は緊張した面持ちで「今日は朝早くから観に来てくださってありがとうございます……。ありがとうございます」とあいさつ。映画デビュー作となった本作に「多分、ずっと心の中にあるもの。忘れたくても忘れられない感覚だったり、始まりだったなと思います」と満足げな顔。

 しかし、撮影現場のことは「必死すぎてあまり覚えていない」という石橋。それは、母・原田美枝子が『ぼくたちの家族』でタッグを組んだことのある石井監督の映画というプレッシャーなどもあってか、「ある意味、常に監督と戦っている感じで……。いつもトライ・アンド・エラーでやってみて、違うと言われて。やってみて、違うと言われて。そうしたら黙っちゃって……。そういう感じでした」とポツリ、ポツリ。「面白かったエピソードは? 監督の印象的な演出は?」といった質問でとうとう言葉に詰まった石橋は、「うーん……難しいですね……」と言いながらおよそ1分、しばしの熟考タイム。「このままだと、30分くらいかかっちゃいそうですね……」と苦笑いを浮かべつつも、「怖い人というイメージがありましたが、でも監督はみんなを見てくれている人だなと。どこに目があるんだろうなと、いつも思っていました」と言葉を振り絞った。

 そんな石橋をちゃかすように「すごい沈黙の時間でしたね。舞台あいさつでこれだけ話さないのもすごい。大型新人が現れましたね」と切り出した石井監督。「今のこの様子を見て撮影現場がフラッシュバックしてきました。大変でしたよ、彼女はずっとこんな感じでしたからね」と笑ってみせつつも、「実力という意味では、池松壮亮という天才には足元にも及ばないけれども、新人というのは圧倒的な魅力で。人生で一度きりしか見えないものを出してくれたし、新人なりの奇跡を起こしてくれたと思います」とねぎらった。

 それを受けた石橋は、「わたしの中では大きな思いがあるのに、いろんなことがうまく説明できません。でもこの映画で苦しかったし、たくさんいろんな人にも迷惑をかけたけど、でもこの映画でたくさん救われました。たくさんの人に届くといいなと思いました」と呼びかけ。池松も「石橋さんはどんな人ですかと聞かれるんですが、石橋凌さんと原田美枝子さんの娘さんということくらいで、どんな人かは分からない。でも石橋さんが演じた美香に対しては、ものすごく好印象というか。危うくて、生きることがとても苦しそうで。でも、純粋に生きようとしているところが好きでしたね」と石橋との共演を振り返った。(取材・文:壬生智裕)

『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』は新宿ピカデリー、ユーロスペースにて先行公開中、5月27日より全国公開