サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)はグループリーグを終え、決勝トーナメントに進出する16クラブが決定した。川崎フロンターレと広州恒大が突破したグループGはサポーターが掲げた旗や横断幕でトラブルが相次いだが、一方で横断幕を通じた心温まる交流も生まれた。(イメージ写真提供:123RF)

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 サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)はグループリーグを終え、決勝トーナメントに進出する16クラブが決定した。川崎フロンターレと広州恒大が突破したグループGはサポーターが掲げた旗や横断幕でトラブルが相次いだが、一方で横断幕を通じた心温まる交流も生まれた。

 中国メディア・今日頭条は10日、「イースタンが川崎のサポーターから感謝された」とする記事を掲載した。記事は、先月末に行われた広州恒大戦で広州サポーターから「英国の犬」などと書かれた横断幕を掲げられた香港・イースタンが、9日に川崎で行われた川崎F戦で再び相手から横断幕でメッセージを投げかけられたが、「今回は(挑発ではなく)イースタンに対する感謝の気持ちが示されたものだった」と伝えた。

 そのうえで、3月1日に香港で行われたイースタン―川崎F戦の際、多くの川崎サポーターがチケットを手に入れられなかったことを知ったイースタン側がチケットを用意し、川崎サポーターに配布したことを紹介。「この行動が川崎サポーターの心に深く刻まれ、今回の試合で『前回のイースタンの親切さに感謝します』という中国語の横断幕でその気持ちが表された」と説明している。

 試合は川崎が4-0で快勝したが、川崎サポーターの横断幕にイースタンは感動を示したようだ。記事はイースタンの公式SNSアカウントが「サッカーの意義はピッチ上の勝ち負けだけでなく、スポーツマンシップという点にもある」とのコメントを発表したことを紹介。「両クラブの友好ぶりを見て、中国大陸と香港のサポーターどうしもより仲良くし、ともに中華民族のサッカーの発展を推進することを心から望む」とした。

 記事を読んだ中国大陸のネットユーザーからは「大陸との関係が良くない所は、日本と仲良くなる」、「敵の敵は味方ということだな」など、両クラブの交流を快く思わないようなコメントが目立った。互いの好意に対して感謝を示すのは自然な感情のように思えるが、大陸と香港の互いに対する感情の溝は、われわれが考えるよりもはるかに深いのかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)