2018年に韓国の平昌で開催予定の冬季五輪だが、中国と韓国の間には依然として「高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)」をめぐる問題がくすぶっており、両国にとって「平和の祭典」となるかどうかが危ぶまれている。(イメージ写真提供:123RF)

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 2018年に韓国の平昌で開催予定の冬季五輪だが、中国と韓国の間には依然として「高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)」をめぐる問題がくすぶっており、両国にとって「平和の祭典」となるかどうかが危ぶまれている。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、THAAD問題をめぐって中国が平昌冬季五輪への参加を拒否することになれば、開催費用が膨らみ続けている韓国にとっては「泣き面に蜂」になると論じる記事を掲載した。

 記事は、平昌冬季五輪の開催費用はもともと7兆ウォン(約7026億円)と想定されていたが、費用は膨らみ続け、28兆ウォン(約2兆8105億円)にまで拡大してしまったと指摘。さらに、ホッケーやスケート、スキージャンプ競技場の整備のために100億ウォン(約10億円)を投じたが、得られる収益はわずか33億ウォン(約3億3000万円)にとどまる見通しと指摘。つまり平昌五輪の終了後にこれらの競技種目は「60億ウォン(約6億6000万円)の損失」をもたらすことがほぼ確実視されていると論じた。

 また韓国側はTHAAD問題をめぐって中国が参加を拒否しないかどうかを懸念しており、もし本当に中国が参加を見送れば、韓国にとっては「泣き面に蜂」となると指摘。なぜなら、冬季五輪中に中国人旅行客が韓国を訪れず、消費も見込めないためだとし、「そうなれば巨額の収入を失う」ことになると説明。この懸念が現実のものとなれば韓国は「泣くに泣けない」事態になると論じた。

 五輪の意義は、国家間の利害を超えて世界が平和の祭典を楽しむという点にある。もし中国がTHAAD問題を理由に参加を拒否すれば、五輪に政治問題を持ち込んだとして批判の対象になるだろう。メンツを重視する中国にとっては世界から批判されることは避けるのではないだろうか。

 また、韓国でこのほど行われた大統領選で当選した最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏は過去にTHAAD配備に対して否定的な考えを示したことがあり、THAAD問題をめぐって拗れた中国との関係が今後、改善していく可能性は残されている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)