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ここに紹介するシューティング・ブレークは、「正しい」シューティング・ブレークという意味合いからすれば、それには適合しないクルマたちだ。つまり、戦前のロールス・ロイスやドライエに見られるような名だたるコーチビルダーが作り出したモデルとは一線を画す。戦前のシューティング・ブレークは、ハンティングを目的とし、その後部に狩猟犬を乗せる目的で作られたものだ。この伝統は、戦後も続き、特にイギリスやヨーロッパでは、主に貴族の高尚な趣味のために、いくつかのシューティング・ブレークが作られている。

しかし、戦後、サー・デイヴィッド・ブラウンが作り出したシューティング・ブレークに始まるこの流行は、高性能スポーツカー、あるいはGTカーを改造し、小粋な2ボックス・ワゴンとするものだった。今日の4×4のシューティング・ブレークともその意味がまったく異なる。

しかも、それら多くのスポーツ・シューティング・ブレークは、ハンドメイドされたワンオフ・モデルで、当然ながら非常に高価な値段がつけられている。ワンオフ・モデルの多くはコレクターの元に収められていることが多く、もし今、あなたがそれらシューティング・ブレークを欲したとしても、手に入れることは難しいだろう。

ここに紹介するスポーツ・シューティング・ブレーク10台は、1台、あるいは非常に少数が生産された貴重なモデル達である。

第10位 フェラーリ365GTB4パンサー


マラネッロは、シューティング・ブレークを不得意とするわけではない。最近ではFFという4座シューティング・ブレークをリリースしているからだ。また、1960年代の250GT「ブレッドバン」は、フェラーリの本意ではないが、ある意味有名なフェラーリのシューティング・ブレークだろう。

ここに紹介する365GTB4パンサーは、ブレッドバンのようなレーシング・モデルではないが、不動産王、ボブ・ジトルマンのために製造されたワンオフで、ポップ・アップ・ヘッドランプと、カム・スタイルのリア、そしてパースペックスのガルウイング・ドアを特徴とする。但し、このガルウイグ・ドアは人が乗り降りするためのものではなく、ラゲッジ・ベイにアクセスするためのものだ。

第9位 ジャガーXK150WSM


ダグラス・ウィルソン・スプラットは、ビッグ・ヒーレーとスプリジェットをベースとしたWSMレーサーで知られた存在だが、1960年代半ばにはVSCCレーサーを牽引するためのレッカー車を制作するためにシルバーストンにあるエンジニア、ダグラス・ハルとジョイントした。そのハルのXK150をベースとして、ウィルソン・スプラットはピールのコーチワークによるボディを被せたシューティング・ブレークを制作している。エンジンにはE-タイプのものをチューニングしたエンジンが搭載され、ツールとスペアを積むためにリアに大きなスペースを持っていた。

第8位 ランチア・ガンマ・オルジアータ


フラット4ユニットを搭載するFWDモデルとして世に送り出されたランチア・ガンマは、思うようなセールスを記録することはできなかったモデルだ。そのガンマをベースにピニンファリーナがリア・セクションをリデザインしたのがオルジアータだ。1984年のパリ・モーターショーでプロトタイプとして発表されたが、このプロトタイプが1台だけ生産されたに留まった。

第7位 アウディ・クワトロ・アーツ・コンビ


あなたはアウディ・クワトロが充分に実用的なクルマだと考えるかもしれない。しかし、ハッチバック・モデルもなく、ブート・スペースは制限されている。ドイツのチューニング・メーカー、アーツは、クワトロをベースとしたシューティング・ブレークを噂では14台制作したという。その大部分はフォルクスワーゲン/アウディのパーツを用いていた。

第6位 ポルシェ942


アーツの作った924コンビやDPモータースポーツの作った944カーゴなどもポルシェのシューティング・ブレークとして挙げられるかも知れないが、やはりファクトリーが正式に製造したポルシェ942をここではあげたい。1984年9月19日にフェルディナンド・ポルシェの75歳の誕生日祝いとして贈られた942は、928をベースとした4シーターのシューティング・ブレークだった。ホイールベースが10cmほどストレッチされ、Bピラーから後は完全に新設計。しかも、大人2人がリアに乗るため、サスペンションもセッティングし直された。その3年後には928をベースとしたH50コンセプトが作られるが、このプロジェクトは日の目を見ることはなかった。
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