100年の歴史。サツマイモそっくりの洋風まんじゅう【甲斐みのりの「おやつの時間」】

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5月はじめの連休も過ぎ、やっとほっと、いつもの日常。
「ああ、よかったー」。ふーっと息を吐き出しながらそんなことを口にすると、どうして?休日が苦手なの?と友人は不思議顔。「子どもの頃は長い休みが嬉しくて、ありがたかったけれど、大人になってからは、仕事や普段の暮らしのペースが崩れてしまうとね。元に戻すのがなかなか大変で、複雑な気持ち。もちろん連休中は楽しいことも多いけれど、同時になんでもない日常を愛おしく感じるの」。
ときどき買いものついでに仕事場に立ち寄ってくれる友人と、お茶を飲みながら過ごす静かな午後のひとときも、私の大事な日々のひとこま。すぐ近くの中学校の校庭から、甲高い笛の音が聞こえてきたり、扉の向こうで管理人さんが掃き掃除をしているのが分かったり。毎日繰り返される、なんでもない会話や、町の音や匂いに、安心感を覚えるのです。
今日、友人と食べたおやつは、連休中におみやげにいただいた、寿堂の「黄金芋」。人形町にある明治からの老舗の顔で、100年もの間、親しまれているお菓子です。包みをほどき、箱を開けた瞬間、鼻をくすぐるシナモンの香り。サツマイモそっくりに作られていますが、その正体は、小麦粉の皮で、白いんげん豆を合わせた黄身餡を包んだ、洋風まんじゅう。焼き芋のようにこんがり焼いて、ニッキの粉をまぶしています。寿堂のお菓子は、美味しいのはもちろん、包み紙、リボン、掛け紙、由来書のデザインも秀逸。
私も人形町を訪れるたび、夏でも日持ちする黄金芋を、誰かに買って帰ります。本物の焼き芋と見間違う洋風のおまんじゅう。水色の包み紙に、ピンクのリボンが愛らしい。版画の掛け紙もすてきなデザイン。

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