シカゴ市警、2度の窃盗事件を働いた捜査官を懲戒免職処分にせず(出典:http://www.cbsnews.com)

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非常に厳しい態度で窃盗を犯す者を補導、逮捕する警察官たち。その職場の内部にまさかの窃盗常習者が潜んでいることを彼らはどう感じてきたのだろうか。米シカゴ市民にとってはいささかショッキングな話題を『CBS News』が伝えた。

イリノイ州のシカゴといえば、デトロイトやマイアミなどと並ぶ凶悪犯罪多発地域というイメージがある。とはいえ、窃盗などかわいいものと言ってそれを甘く見逃がすことは決してない。ところが窃盗犯を捕まえる立場にあるシカゴ市警に、2度も万引きを犯した女の捜査官が懲戒免職処分を受けることなく働いていることが少し前に発覚した。公務員にはありがちだと批判されてきた職権乱用、そして身内への甘さと隠蔽体質。『CBS News/Chicago』がすっぱ抜いたその報道には全米市民が眉をひそめている。

問題の捜査官の名はチェリー・ヘンドリックス。先のクリスマスイブの日にルイジアナ州のある「ウォルマート」で読書用老眼鏡とコーヒーマグ、日本円にして計1万3千円ほどを万引きして逮捕され、シカゴ市警の面目をつぶした。その後は裁判所が初犯者に命じる更生プログラムを受講していたが、実は彼女、初犯などでない。2013年には「Whole Foods」レイクビュー店でも高価なビタミン剤など2万数千円分を万引きして逮捕されていたのだ。

こうして2件の窃盗事件を起こしても、内勤に異動しただけで懲戒免職にはならなかったヘンドリックス。クック郡裁判所にも犯罪記録は残っておらず、判決の内容すら明らかにならない中、最初の事件から4年が過ぎたところでCBSはシカゴ市警に彼女の処分について質問した。しかし「今も内部調査中」との答えで、米国司法省の職員がシカゴ市警に出向いた調査も、やはり身内びいきを思わせる結論で1月に完了となっていた。

こうしたことに、現在シカゴの「ノースウェスタン大学」内・公共安全センターのエグゼクティブディレクターを務めている元警察署長のデヴィッド・ブラッドフォード氏は、「規律を守らない人間がいると部署全体の秩序や士気に影響する。善良な警察官への悪い影響が心配されるほか、コミュニティからの信頼をも左右する」と批判。これには神経をとがらせたとみえ、CBSの最近の取材に市警は「やっと内部調査が終了し、この問題はすでに警察の調査委員会に委ねられています。本人に辞職を勧告しました」と答えている。しかし本人が体調不良を理由に休職願いを出しただけで、それは中途での幕引きに過ぎなかった。事件を起こしてもなお年間あたり9万ドルもの給料を受け取っており、犯罪者更生のためのプログラム受講の費用も2万5千ドルほどに上ることから納税者の怒りはただ事ではないようだ。

半年ほど前にはニューヨーク市からこんな事件も伝えられた。ブルックリン区の「マクドナルド」から911番通報が入ったが、カウンターで銃を振りかざしながら怒鳴り散らしていた男は泥酔した連邦保安官補(deputy marshal)。司法省に属して連邦裁判所の警備、判事、検事、陪審員の保護にあたる人物とあってニューヨーク市警はひたすらゴマをするしかない。男は同店舗への「接近禁止命令」が言い渡されたのみであっという間に釈放となっていた。

出典:http://www.cbsnews.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)