10日、韓国の第19代大統領に就任した文在寅氏の故郷に残る古びた生家が注目を集めている。写真は文在寅大統領と、看板が掲げられたその生家。

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2017年5月10日、韓国の第19代大統領に文在寅(ムン・ジェイン)氏が就任した。文氏の出自については、両親が北朝鮮の出身であること、朝鮮戦争で一家が逃れた先の慶尚南道(キョンサンナムド)巨済(コジェ)島で生まれたこと、そして貧しい家庭の長男として育ったことなどが日本でも報じられている。

世界日報など韓国の報道によると、出身地の巨済・ナムジョン村は現在38世帯100人ほどが暮らす静かな田舎町だが、文氏が大統領に当選確実との開票速報が報じられた9日夜は、「大統領、文在寅」「巨済万歳」の声が飛び交いまさにお祭り騒ぎに沸いたという。農繁期ということもあり多くの住民は翌日から早くも日常に戻ったが、今も残る文氏の生家には早速「文在寅大統領生家」と書いた看板が掲げられ、見物客がたびたび訪れては写真を撮っていく姿がみられた。

文氏が1953年に生まれてから小学校に上がるまでを過ごしたという家は、60平方メートル余りの敷地に建つ小ぢんまりとした平屋建て。波板のトタン屋根だけはふき替えられたというが、ほかはほぼ当時のままといい、一見して古びた印象だ。2年前までは文氏誕生に立ち会いへその緒を切ったというチュ・ギョンスンさんが暮らしていた。現在はすぐ隣の家に住むチュさんの息子家族などが物置きや作業場として時々使うことがあるものの、庭には雑草が茂り事実上の放置状態だ。

しかし文氏が大統領となったことで、今後訪問客の増加が見込まれるとして、地元の巨済市は10日、この老朽化した生家と周辺道路の整備に乗り出すことを明らかにした。権民鎬(クォン・ミノ)市長は「大統領の生家は立派な歴史的観光資源だ」と述べ、現在はチュさんの親族の所有となっている生家の買い上げについても検討する方針を示している。

報道で文氏生家を初めて目にした韓国のネットユーザーからは「本当に貧しかったんだね」「ただ貧しいだけじゃない。何も持たずに生まれてきた感じだ」「じーんときた。文大統領は人間のにおいがする」「やっぱり盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の友達だけあって、類似点が多い。2人とも自分だけの力で家計を支えていたんだろう」「庶民の心を推し量れる大統領になってほしい」など、驚きや期待の声が多数寄せられている。

また、裕福な家庭の生まれで知られる朴槿恵(パク・クネ)前大統領と比較し、「朴槿恵とは大違い」「お姫様として生まれお姫様のまま逮捕された誰かさんとは骨の髄から違うんだね」「朴槿恵支持者たちがなぜ彼女を哀れむのかいまだに理解できない。朴槿恵よりかわいそうな人は世の中にあふれているのに」といったコメントも目立った。(翻訳・編集/吉金)