「ドローンを使ったシミュレーションと現実の間に大きな溝があるのは、研究者らがドローンのクラッシュを恐れているからだ!」ということで、カーネギーメロン大学(CMU)の研究者らがドローンを1万1500回もわざとクラッシュさせ、その録画映像データを人工知能に機械学習させることで、ドローンが自動的に障害物を避けるようにする、という実験を行っています。

Learning to Fly by Crashing

(PDFファイル)https://arxiv.org/pdf/1704.05588.pdf

Drone Uses AI and 11,500 Crashes to Learn How to Fly - IEEE Spectrum

http://spectrum.ieee.org/automaton/robotics/drones/drone-uses-ai-and-11500-crashes-to-learn-how-to-fly

人工知能で機械学習して自動的に障害物を避けるようになったドローンの様子は以下のムービーから確認できます。

Learning to Fly by Crashing - YouTube

ドローンは約20の室内環境に置かれ、40時間で1万1500回のクラッシュを繰り返しました。



飛行の様子はドローンに搭載されたカメラで録画され、録画映像がのちにConvolutional Neural Network (CNN:畳み込みニューラルネットワーク) の機械学習で使用されました。クラッシュの様子を撮影した録画映像は問題なく飛行しているパートとクラッシュを起こす直前の2つパートにわけられ、状況によって「まっすぐ進むのが適切か」「右に曲がるのが適切か」「左に曲がるのが適切か」ということを学習させたわけです。



ムービーでは学習後のドローンの飛行が記録されています。細い通路をドローンが飛行。



途中、横の壁にゴンゴンと当たることもありますが、飛行の方向を自動的に変え、障害物や壁に正面衝突することなく進んでいます。



また、通路に人を発見。



障害物としての人を検出すると、さっと方向を変え……



人に危害を与えることなく、障害物のない方向に進んでいます。



また、別の場所に置いたカメラでドローンを撮影してみるとこんな感じ。細い通路で飛行するドローン。



カメラの方向に向かってきます。



しかし、障害物であるカメラが自分の進行方向にあるとわかると、障害物のない、進める方向に進路を変えました。



ぶいーんと飛んでいき……



次の通路も難なくクリアしました。



イスが置いてある通路でドローンを飛ばしてみます。



障害物のあるところまではまっすぐに進み……



障害物であるイスはすいすい避けていきます。



人間が通っても……



動く人を見事に避けて飛行しています。



飛行テストの結果、「狭い通路に複数のイスを置く」という複雑な環境を除いては、やはり人間が操作するほどの正確な飛行はできなかったとのこと。しかし、(PDFファイル)単眼奥行推定に比べると正確で、状況によっては2倍〜10倍のパフォーマンスを発揮したそうです。奥行推定の難しいガラスの扉や特色のない壁がある場所については、優れたパフォーマンスを発揮したと述べられています。