安倍首相との相性は最悪との見方も

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 新しい韓国の大統領となった文在寅氏(64才)。極貧からはい上がった苦労人ゆえ、文大統領の人柄は「ソフトで紳士的」(『デイリーNKジャパン』 高英起編集長)というが、そんな彼が強硬な姿勢を貫くのが「慰安婦問題」だ。

 2015年末に安倍晋三首相と朴槿恵前大統領が発表した日韓合意では、第2次大戦下で日本軍の従軍慰安婦となった韓国人女性への保障について、「最終的かつ不可逆的に解決させる」として、日本政府が韓国の財団に10億円を拠出することなどを定めた。

 だが文氏は直後に「拙速的で屈辱的な合意は無効だ」と激しく反発。今回の大統領選の公約でも合意について、「無効にして再交渉を推進する」と表明していた。

 日韓合意では、ソウル市の在韓日本大使館前に建てられた慰安婦像について、韓国政府が「適切に解決するよう努力する」ことを定めたが、現在までに撤去される気配はない。それどころか、韓国国内で慰安婦像の設置が相次ぎ、2016年末には釜山の日本領事館前にも慰安婦像が置かれた。

「釜山市はいったん像を撤去しましたが、市民からの猛烈な抗議で一転して設置を認めた。この時、像の設置を後押ししたのが文氏だったとされています」(韓国の全国紙記者)

 文大統領は釜山に慰安婦像が設置された後、フェイスブックにこう書きこんだ。

《釜山市民の少女像設置は、真の独立宣言だ》

 彼は今年4月に98才の元慰安婦女性が死去した際も、《おばあさんに代わり必ず日本政府から謝罪を受ける》と書き込み、日本政府に“宣戦布告”している。

 確かに、本人の意に反して日本兵の性の相手をさせられた慰安婦女性の苦しみは、生涯消えることはない。

 昨今の嫌韓ブームで盛んに聞かれる「どこの国にも慰安婦はいた」「彼女たちは高給をもらっていたのだから別に良いだろう」というフレーズは、想像力の欠落した男性優位思想の典型で、唾棄すべき発想である。

 高齢化を迎え、次々に亡くなっている韓国の慰安婦女性の声に真摯に耳を傾ける行為自体は、なんら悪いことではない。だが、日韓合意は国と国が決めたルールであり、履行されないのであれば韓国との外交の根本が揺らいでしまう。

「公約を守らないことは政治の世界では当たり前ですが、文氏のブレーンが『日韓合意はひっくり返せ』という立場なので、本当に合意を破棄する可能性がある。もしそうなれば、反日的な政策が次々と打ち出される恐れがあります。日韓合意にどう対応するかが新政権の対日政策を占う試金石になります」(前出・高氏)

 人間性の面でも安倍首相との相性は最悪である。

「保守的で憲法改正まで打ち出すタカ派の安倍首相に対し、文氏は弱者救済を訴える市民派で、理想を追い求めて闘い続けています。取り巻きやブレーンを含めて安倍首相と文氏の立場は180度違うので、かみ合わないかもしれません」(前出・高氏)

 ちなみに、支持率で文氏に次ぐ、「国民の党」の安哲秀氏(55才)も慰安婦問題の日韓合意については再協議を主張している。しばらくは綱渡りの日韓関係が続きそうだ。

※女性セブン2017年5月25日号