9日、韓国は第19代大統領選挙の投開票日を迎えた。約3週間の選挙戦で候補者らのさまざまな言動が話題を集めたが、大きな議論を呼んだのが、候補者らの口から次々出た「マンマル」だ。写真は韓国大統領選の事前の支持率調査に関する報道。

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2017年5月9日、韓国は第19代大統領選挙の投開票日を迎えた。約3週間の選挙戦で候補者らのさまざまな言動が話題を集めたが、大きな議論を呼んだのが、候補者らの口から次々出た「マンマル」だ。

「マンマル」とは日本語の「暴言」や「放言」を意味するほか、人前で言うべきではない「汚い・下品な言葉」といった意味も含む。公に口にすれば間違いなく注目を集めるため、大統領候補者によるマンマルは話題づくりのための一種の戦略との見方もあるが、韓国・ソウル新聞によると、このマンマル、今や韓国人の日常生活に深く浸透し、何らかの「自浄作用」が必要との声も出ているという。

韓国国立国語院が5年に1回実施する「国民の言語意識調査」によると、俗語や悪態などの言葉を「習慣的に使う」と答えた人の割合は2005年には全体の1.2%だったのが、10年には14.7%、15年には21.8%にまで急上昇した。韓国ではこのところ暴言をよく使う人や場面を指し「マンマル番組」「マンマル政治家」「マンマル芸能人」「マンマルネットユーザー」などの表現が生まれているが、マンマルが人々の日常に確実に広まっていることがこの数字からも分かる。

最近ではマンマル自体が原因の名誉毀損(きそん)の訴えが増えているほか、幼い子どもがドラマなどをまねて意味も知らず悪態をついたり、職場の上司が部下に対し放言を繰り返したりといった例も。そしてネット上では他人の親を指す俗語や障害者・生活保護世帯を見下す表現などが流行しているそうだ。

こうした現象について、啓明大社会学科のイム・ウンテク教授は「経済状況が困難になり弱肉強食と強者の論理が広まる中で、典型的な家父長的文化を基盤としたマンマルの伝統が再生産されたもの」と説明している。

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「確かに最近の若い子は悪態がひどい」「韓国映画のせりふの半分は悪態だ」「うちの課長も悪態が日常だけど、人としてのレベルが分かっちゃうよね」「年も取ってもマンマルを使うようじゃ、人間扱いされない」とマンマル常習者への批判の声が数多く寄せられている。

また、「マンマルを言う人は無視に限る」「悪態ばかりの人には近づかないのが正解」といった対処法や、「家庭での教育をきちんと受けていないのが問題」「コンプレックスが強い人はマンマルや悪態をよく使うね。自分のことを愛して小さなことにも感謝しながら暮らしていればマンマルを使うことがないし幸せに生きられるよ」など原因に触れるコメントも。

そして「朴槿恵(パク・クネ前大統領)のおかげでこの半年くらいは思い切り悪態をついたよ」との告白もあった。(翻訳・編集/吉金)