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もはや疑いようのない不朽のディズニー・アニメーション『美女と野獣』を、ディズニー自身が完全実写化した実写版『美女と野獣』。世界興行収入11億ドルを突破し、歴代トップ10入りも目前まで迫る大ヒットを記録中で、4月21日に公開された日本でも5月10日付で興行収入70億円を突破! 『アナと雪の女王』を超えるスピードで興行収入を伸ばし続けている。

楽しみにしている方々のために極力ネタバレは避けて説明を進めて行くが、すでに天才作曲家アラン・メンケンやビル・コンドン監督の来日記者会見などの報道の数々において、今回の実写版『美女と野獣』が、オリジナルとなる91年のアニメーション版に忠実に寄り添いながら、キャラクターの心情を掘り下げるような新たなシーンや設定を追加していることが、つまびらかになっている。こういう場合、少なからずオリジナルのファンの間でざっくり意見と評価がわかれてしまいがちだが、その心配はないという声が支配的か。

○リアリティー

この点、実写版『美女と野獣』は、何が大成功した要因なのだろうか。来日したビル・コンドン監督を直撃した際、実写化にあたっては「リアリティーの追求を大事にした」と語っていた。すなわち、「ある特定の時代設定を決め、リアリティーを前面に出すことも決めた時点で、ファンタジーであることはいったん置いてくんだ。俳優たちも、通常の映画のようにリハーサルを重ねて撮影をした。まったく普通のアプローチで、リアルな映画を撮ったんだ。イアン・マッケランも置時計の役ではあるけれども、普通の映画の現場のように参加してもらった。彼自身の顔はほぼ出ないけれど、たくさんの準備をした。キャラクターのバックストーリーも、リアリティーを重視したんだ」と説明。『美女と野獣』という世界観はありながら、あくまでも普通のアプローチでリアルな映画を作ることで、現実感から離れてしまう危機を回避した。つまり、丁寧に原作マンガや原作アニメーションに寄せてしまうことで起きがち(特に日本で)な、実写版ならではの"浮いた感じ"がない。

ルーク・エヴァンス演じるガストンを観ていると、コンドン監督の言っていることがよくわかる。オリジナルの91年のアニメーション版では、クラシカルで典型的なシンプルな悪として登場するが、今回の実写版では狂気を滲ませるヴィランズとしての佇まいだ。なるほど確かに二次元のガストンがそのまま三次元に現れたら、もっとまぬけな感じになっていたに違いない。実写版『美女と野獣』はシークエンスについては91年のアニメーション版に忠実な実写化を試みたが、三次元化したキャラクターについては、三次元に存在するための情報の補完を行っている。これがリアリティーの担保で、その結果、多くの人たちが愛している91年のアニメーション版の世界を尊重することにもつながっていると思う。

○音楽

そして、音楽――。『美女と野獣』を語る上で、天才作曲家アラン・メンケンが生み出した楽曲の数々を触れないわけにはいかない、最重要の構成要素と言っていい。この点、来日したメンケンを直撃した際にも、「愛され続けているミュージカルだと思うし、アニメーションのファンのノスタルジーもあると思う」と、『美女と野獣』における楽曲の重要性についてファンの気持ちになって回答をしていた。また、世界的な大ヒットの要因については、「どういう実写版になっているか、興味を持ってくれたからだとも思う。ただ、それだけでは、ここまでの大ヒットにはならないよね。僕たちの仕事というものは、美しく良質なものをきちんと作り上げることだったからね。何がヒットするかなど、フタを開けるまで誰にもわからないことで、その方程式がわかれば最高だろうけれどね(笑)。今回、公開後に多くの人たちの熱意が、ムーブメントになっていったわけだよ」と、謙虚に分析した。

○ベル役のエマ・ワトソン

もちろん、ベル役の主演、エマ・ワトソンの貢献も大きい。"美女"と言い切ってしまうその美貌のみならず、劇中では美しい歌声を披露するなど、まさしく我々が思い描いていたベルそのもの、とこれ以上ないほどの絶賛も受けている。彼女の代表作だった『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニーから、今後は『美女と野獣』のベルもエマを象徴するキャラクターになったと言っても問題ない。野獣が心開く説得力に満ちた演技は必見だ。

ちなみに本作の公開と直接的な関連性はないが、東京ディズニーランドでは2020年に『美女と野獣』エリア(仮称)がオープンする予定で、先日その起工式が行われたばかりで、日本での『美女と野獣』の関心が高まっている段階での映画の公開は、とてもいい効果が期待できそう。また、東京ディズニーランドホテルの「ドリーマーズ・ラウンジ」では、ディズニー映画最新作『美女と野獣』の公開を記念したスペシャルデザート(1,860円)を数量限定にて提供中で、シネマイクスピアリで映画を観た後、立ち寄って映画の世界の余韻に浸ってもGOOD!! 日本を代表する豪華キャストによる吹替版も合わせて要チェックで、この春、実写版『美女と野獣』、その世界観を、じっくりと堪能してほしい。

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(鴇田崇)