所属するG大阪ではスタメンの座を確保。攻撃のキーマンである堂安が理想的な状態で大会を迎える。写真:安藤隆人

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「歴代の先輩方の最高成績を越えたい」
 
 U-20日本代表のMF堂安律が所属するガンバ大阪の公式サイトを通じて高らかに宣言をした。
 
 歴代最高の成績はG大阪の黄金期を支えた偉大な先輩であるMF稲本潤一や遠藤保仁、小野伸二、小笠原満男、中田浩二、FW高原直泰らを擁し、『黄金世代』と呼ばれた1999年のナイジェリアワールドユース(2007年のカナダ大会からU-20ワールドカップに改称)の準優勝という成績。それを越えると言うことは、優勝しかないことになる。
 
 世界の強豪が本気でしのぎを削るU-20ワールドカップで優勝をすることは、とてつもなく困難なミッションであることは間違いない。しかし、堂安は『実現可能なこと』として、本気で狙っていた。
 
 5月11日から静岡県内でU-20ワールドカップ直前合宿をスタートさせたU-20日本代表は、午後4時半から練習を開始し、約1時間強、5対5や7対7+フリーマンなど、ボールを使ったトレーニングで汗を流し、初日を終了させた。
 
 トレーニングにおいて、堂安は右サイドのポジションに入り、キレのある動きと、積極的に声を出すなど、率先してチームの盛り上げ役もこなすなど、初日からしっかりと自分を表現していた。
 
 練習後のミックスゾーンで堂安は、「G大阪でここ数試合は90分間フルに戦えているので、試合勘に関してはまったく不安がありません」と、コンディションの良さを口にすると、「自分の力でスタメンを勝ち取ったと思いますし、チャンスをモノにできたと思っているので、そこの自信はある。このチームでも自信を持ってやりたいです」と、気力もみなぎっている様子を伺わせるなど、大会に向けて、高まるモチベーションを抑えきれないようだった。
 
 そして、公式サイトでの「優勝宣言」の真意を問うべく、その話題をふってみると、彼は鋭い目つきでこう答えた。
「(史上初のアジア王者となって)アジアで越えたので、あとは世界の舞台で越えるだけ。チームとして越えるだけです。もちろん狙うは優勝です。できると思っています」
 堂安の言葉に、報道陣からは少し笑いがこぼれた。
 
 だが、彼の目は真剣そのものだった。
 
 最初から優勝できないことを前提に世界へ挑むほど、生半可な気持ちなんかじゃない。
 
 強い光が宿っていた彼の目に、そんな力強い主張を感じ取ることができた。
 
「G大阪とこのチームでは使われるポジションは違う(G大阪はFW、U-20日本代表ではサイドハーフ)けど、それは一切気にならない。流動的に動けば良いし、役割は点を獲ることとチームを勝たせることに変わりはないので。それにU-20ワールドカップはもう楽しみでしかないんです。変な緊張もないし、自分が世界を相手にどれくらいできるか。ただそれだけです」
 
 身体全体からみなぎる意欲と高揚感を発し、取材に対応した堂安。決してビッグマウスや大風呂敷などというつもりはない。本気の決意を胸に抱き、まずは直前合宿で牙を研ぎ澄ませ、待ちに待った世界の大舞台へと羽ばたいて行く。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)