ナンバー トゥエンティーワンを立ち上げた榎本亮・婦人雑貨統括部商品部長(左)と、商品開発を手掛ける中社慶・婦人雑貨統括部アシスタントバイヤー Photo by Toshiaki Usami

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 三越伊勢丹で、婦人靴の仕入れや買い付けを行うアシスタントバイヤーの中社慶は、2015年4月、伊勢丹新宿店の婦人靴売り場から連絡を受けた。

「足の幅(ワイズ)が狭くて、自分に合う靴はどこにも売っていないと困っているお客さまがいます。彼女にぴったりの靴を作っていただけないでしょうか」

 日本人の足幅の平均はEワイズ。それに対し、この30代の女性客はBワイズとかなり細かった。そのため、既製品の靴はどれも脱げやすく困り切っていたというのだ。

 話を聞いた中社は、すぐさまメーカーと連絡を取り合い、開発に乗り出す。足幅は狭くても、かかとの大きさは人によって大差ない。そのため、単純に靴幅を狭くしてもバランスが悪い。靴幅が狭くてもファッショナブルに見えるよう試行錯誤を繰り返した。

 開発にかかった期間は5カ月。当初はパンプスだけだったが、今ではサンダルやブーツなど実に30種類ものBワイズを展開している。「履ける靴がない」と困っていた女性客たちは、皆リピーターとなって、1シーズンに2足、3足と買っていくという。

 三越伊勢丹では、11年からメーカー、デザイナーと一緒になって婦人靴を自社で開発、「ナンバートゥエンティーワン」というブランド名で販売している。シンデレラがグリム童話の21番目の話であることから名付けられた、いわゆるプライベートブランド商品だ。

 このナンバートゥエンティーワンは、自社開発であるのもさることながら、仕入れ方法も変わっている。売れ残りリスクの軽減を狙って、売れた分だけを買い取る「消化仕入れ」が一般的な百貨店において、リスクを負って全ての商品を買い取る形で販売しているのだ。

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