2017年4月の「東日本大震災」関連倒産は前年同月同数の9件だった。累計件数は震災から6年を経過して1,804件(4月30日現在)に達した。一方、4月の負債総額は17億3,700万円で6カ月連続で前年同月を下回った。

東日本大震災関連倒産 震災後月次推移

2017年4月の倒産事例

 情報処理サービスの東日情報処理センター(株)(TSR企業コード:260081043、法人番号:1060001003111、栃木県)は、情報媒体の長期保存支援サービスや電力会社の関連会社を主力取引先として、電柱のCADによる製図などを受注していた。しかし、東日本大震災後の原発事故の影響で受注が大幅に減少し、売上高はピーク時の半分以下となる2億2,900万円まで落ち込んだ。減収が続くなかで大幅な赤字を計上し、資金繰りの急速な悪化から民事再生法を申請した。
 土木工事の(有)熱海組(TSR企業コード:141047291、法人番号:6370302000184、宮城県)は、東日本大震災による津波で本社事務所が流失した。このため、営業活動を停止して長らく休業状態にあったが、今回破産手続きに踏み切った。

 2017年4月の地区別は、関東が6件、東北2件(宮城と青森)、中部1件だった。
 「震災関連」倒産の累計1,804件を都道府県別でみると、最多は東京の549件。次いで、宮城154件、北海道84件、千葉73件、神奈川72件、福岡70件、岩手68件、茨城66件、群馬59件、栃木57件、福島52件、静岡49件、山形47件、埼玉45件、大阪44件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は376件(構成比20.8%)だった。
 「震災関連」倒産の累計1,804件を産業別でみると、最多は宿泊業・飲食店などを含むサービス業他の479件。次いで、製造業が404件、卸売業が335件、建設業が219件、小売業が168件と続く。被害型で分類すると、「間接型」1,641件(構成比90.9%)に対し、「直接型」は163件(同9.0%)だった。

東日本大震災関連倒産

震災関連の集計基準

「震災関連」の経営破綻は、原則として次の3つのどれかに該当するものを集計している。

  1. 震災により施設・設備・機械等に被害を受けて経営破綻した(直接型)
  2. 以前から経営不振だったが、震災による間接影響を契機に経営破綻した(間接型)
  3. 震災の影響による経営破綻が、取引先や弁護士等への取材で確認できた(直接・間接型)
  • 集計では、すでに震災前に再建型の法的手続を申請しながら、震災による影響で再建を断念し破産手続に移行したケースなどは、倒産件数のダブルカウントになるため集計から除外している。
  • 「震災関連」の経営破綻は下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「弁護士一任」、「破産手続き中」などの企業は、今後の展開次第で事業再開の可能性もあるため、「実質破綻」として区別した。

倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)

  • 会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
  • 手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
  • 企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)