残業時間削減に向けた動きが、各社で本格化している。ワークスタイル・コンサルティングを提供するインテリジェンスビジネスコンサルタンツ(以下IBC)では残業ゼロの社員に対して20時間分のインセンティブを支給する制度を5月からスタートした。

残業時間を減らし生産性を高めた社員の収入が減るのを防ぐと同時に、努力を適切に評価するのが狙いだ。

「インセンティブ支給で生産性の高い社員のモチベーションを維持」

IBCはインテリジェンスビジネスソリューションズ(IBS)の社内ベンチャーで、企業の働き方改革のコンサルティング事業を行っている。母体であるIBSの広報担当者は取り組みについて、「残業時間を闇雲に減らすのが目的ではなく、あくまでも個人の生産性向上に向けた施策」と強調する。

「私たちは、個々の生産性を高めて短時間で成果を上げるということに高い価値を置いています。残業を減らすことで残業代を含めた収入が減ってしまうとせっかく生産性を上げた社員が不利益を被り、やる気もそがれてしまいます。そこで、残業ゼロの社員にインセンティブを支給することで、モチベーションの維持と適切な評価をしよう、ということで始まりました」

制度が出来たことで「生産性」について真剣に考える社員が増加するなど、社内意識の改善にも一役買っているようだ。

「日本全体における、長時間労働是正のモデルケースになれたら」

IBSはこれまでも、在籍するコンサルタント全員に、週2日までの終日在宅勤務を認めたり、部分在宅勤務における時間制限を撤廃したりと、働き方の柔軟性と生産性の向上に努めてきた。今回のインセンティブ制度も、10月までの半年間自社で取り組んだ後、効果があれば顧客へもパッケージとして提供していく予定だという。

「お客様のワークスタイル変革を担う企業として、まずは私たちが実践し、今後はお客様の、ひいては日本全体の長時間労働の是正を促すモデルケースになればと考えています」

残業時間がゼロの社員に対してインセンティブを支払う取り組みは、他社でも始まっている。今年1月には紳士服事業を手掛けるはるやまが、残業ゼロの社員に1万5000円の「No残業手当」を支給すると発表。4月から運用が始まっている。