いまだ根本的な治療法が見つかっていないパーキンソン病は、手足の震えなどの症状を引き起こします。そのためパーキンソン病患者は、自分の名前を書くのも困難な場合があるのですが、Microsoftが手の震えを相殺する腕時計型デバイス「Emma」のプロトタイプを完成させ、実際にパーキンソン病患者が自分の名前をきれいに書くことに成功しています。

‘My God, it’s better’: Emma can write again thanks to a prototype watch, raising hope for Parkinson’s disease - Transform

https://blogs.microsoft.com/transform/feature/my-god-its-better-emma-can-write-again-thanks-to-a-prototype-watch-raising-hope-for-parkinsons-disease/

How a watch helped Emma write again

https://news.microsoft.com/en-gb/features/how-a-watch-helped-emma-write-again/

実際にEmmaを使っている様子は、以下のムービーから見ることができます。

Build 2017: Project Emma - YouTube

世界中にパーキンソン病を患っている人は1000万人以上いると言われ、アメリカだけで毎年6万人がパーキンソン病を発症しています。そして、パーキンソン病に治療法は存在しません。



パーキンソン病患者であるエマ・ロートンさんが、紙に描かれた四角い図形をペンで描こうとしています。



しかし、手の震えからまっすぐな線を描くことはできません。



そこでMicrosoft ResearchのイノベーションディレクターであるHaiyan Zhangさんは、手の震えを内蔵バイブレーターで相殺する腕時計型デバイス「Emma」を開発しました。



モバイルアプリと連動して、振動数を変更することができます。



Emmaを装着して「emma」と自分の名前を書いたところ、文字がギザギザになることなくきれいに書けています。





エマさんは信じられないような表情。



エマさんが描いている四角い図形を見れば、どれほど効果があるかが一目でわかります。



これまでの苦労を解決するデバイスとの出会いに、思わず涙するエマさん。



母親に電話して経緯を説明し、「パーキンソン病になってから初めて自分の名前をきれいに書けたのよ。このデバイスは『emma』っていうの」と伝えると、母親は「なんて素晴らしいの」と心から喜んでいるようです。



以下はエマさんが書いた同じ2つの文章。右側はEmmaを装着して書いたもので、「これは完璧じゃないけど、信じられないほど良くなります」と書かれているのが問題なく読めるレベルになっています。グラフィックデザイナーのエマさんはパーキンソン病を煩ってからは仕事を諦めていましたが、Emmaが実用化されれば再び道が開けるかもしれないと期待を寄せています。



なお、今回作られたEmmaのプロトタイプは、6カ月かけてエマさんの症状を分析し、Zhangさんが回路板にコイン電池モーターなどをはんだ付けして開発したもの。エマさん以外にも4人中3人のパーキンソン病に有用な効果が認められたそうです。実用化まではまだ遠い道のりがありますが、パーキンソン病患者にとっての一筋の光明になることは間違いないはずです。