人事部が会社の労働生産性を2倍にする

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日本は経済大国…耳慣れた言葉ですね。しかし内情は、日本のGDPの総量は大きいものの、1人当たりGDPと時間当たり生産性の両方が、他国に比べて低くなっているのです。労働生産性を高めるSWP戦略の効果を具体的にお伝えします。

こんなに低い日本の時間当たり労働生産性

2014年の日本の時間当たりの労働生産性は、経済協力開発機構(OECD)加盟34か国のうち21位です。
また、主要先進7か国(G7)の中では、最も低い順位となっています(出典:公益財団法人日本生産性本部のまとめによる)。
1位のルクセンブルクでは1時間当たりおよそ92・7米ドルを生み出しているのに比べ、日本ではおよそ41・3米ドルと、半分以下です。

日本は本当に経済大国か?

日本人の1人当たりの労働生産性は、想像以上に低いのです。
この結果は、皆さんには信じ難いかもしれません。
なぜなら、私たちが普段ニュースで見たり聞いたりするGDPの総額ランキングでは、日本はアメリカ、中国に次いで世界3位の経済大国だと報道されているからです。

G7諸国の驚きの高生産性

アメリカを100として見ると、日本の1人当たりGDPは66です。
そして、時間当たり付加価値は62と、さらに低くなります。
ところが、同じG7の中のドイツ、フランス、イタリアでは、1人当たりGDPはそれぞれ、88、82、65なのに対して、時間当たり付加価値の値は、96、98、となり、すべて1人当たりのGDPより高く、100に近づいています。

時間当たりの付加価値の上げ方は2タイプ

ドイツ、フランス、イタリアの3か国では、時間当たりの付加価値の上げ方に2つのタイプがあります。
ドイツとフランスは、アメリカよりも労働時間が短く、「短い時間の中でより成果を出すタイプ」と言えます。一方でイタリアは、アメリカや日本と労働時間がさほど変わりませんので、彼らは、「同じ時間の中でより成果を出すタイプ」と言えるでしょう。

問題は、付加価値と時間の関係

次に、年間の平均労働時間を見てみましょう。
ここでは反対に、日本の労働時間がアメリカに次ぐ2位になっています。
つまり、日本の時間当たりの生産性が低い理由は、そもそもの付加価値のレベルが低いこと。
そして、その付加価値を生み出すために使う時間が長いのです。
問題は、付加価値と時間の関係なのです。

「才能」と「時間」をマネジメントする

ここでもう一度、SWP戦略の両輪を考えてみましょう。
「付加価値」を生み出すのは人間で、それは個人の爛織譽鵐〞によって創造されます。
また「時間」は、ヒトが働くうちに減る資源です。
タレントマネジメントで、個人の才能をどのように成果に結びつけるかを考え、リソースマネジメントで、「時間」という資源をどのようにマネジメントするかを考えれば、日本の生産性も高くなるはずです。

たった8年で労働生産性が2倍になる

「理屈はわかるけど、生産性2倍なんてとても無理!」と悲観的な声が聞こえそうですね。
では、もう少し可能性がありそうな目標として、毎年付加価値を5%アップさせ、そのための時間を毎年5%効率化することを考えてみましょう。
これを続けるとして、果たして何年で2倍になるでしょう。
実は、たったの8年しかかかりません。

生産性の向上は人事部が主導する

「やればできる」ことがわかったら、あとは、どうすれば早く実現できるかを考えればいいのです。
「個人の才能」と「働く時間」を管理し、生産性を上げることができるのは、SWP戦略を持つ人事部以外にありません。
「できない理由をたくさん考えるよりも、どうすれば実現できるかを考えたほうが、よほどやりがいがある」
人事部主催の教育で、よくこう教えますが、今度は人事部がこの活動を主導するときなのです。

【まとめ】

・日本人の1人当たりの労働生産性は、想像以上に低い。
・日本の時間当たりの生産性が低い理由は、そもそもの付加価値のレベルが低いことと、付加価値を生み出すために使う時間が長いこと。
・個人の才能をどのように成果に結びつけるか、「時間」という資源をどのようにマネジメントするかを考え、実行するSWP戦略。生産性向上を人事部が主導するときなのです。

★ 参考図書『稼ぐ人財のつくり方 生産性を2倍にする「攻めの人事」』山極 毅 著
日本経済新聞出版社