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■どんなクルマ?

カントリーマンのPHEV 気になる数値

いよいよミニが「カントリーマン・クーパーS E ALL4」を引っ提げ、激化するプラグイン・ハイブリッド市場への参入を決めた。

ハイブリッド・システムの基本構造はBMW i8と同じで、これを車両前方に配置することで家族向けの背の高いクルマにも導入することに成功した。

ガソリン・エンジンは車体前方に横置きのレイアウトで配置。モーターはリアに配置された。それぞれのユニットから供給されるパワーは、1.5ℓエンジンから134ps、モーターから87psとなっている。

出力の合計は224ps、トルクは39.2kg-mで、£28,000(414万円)のクーパーSカントリーマンと比較すると、出力面では29psアップ、トルクは10.8kg-mの上昇に成功している。

エンジンから出力されたパワーは、6速オートマティックを伝って前輪に伝達され、モーターからは2段階のトランスミッションを伝って後輪に駆動される。

リア・シート下にはモーターにエネルギーを供給する源、7.6kWhのリチウムイオン・バッテリーが収められていて、家庭用のコンセントだと通常3時間15分でフル充電が可能。オプションのもっとパワフルな充電器を使用すると、2時間30分で充電が可能だ。

■どんな感じ?

PHEVのよいところ 悪いところ

モーターとバッテリーが加わったことによって、このクルマは従来のカントリーマンからは295kgも肥大化している。また、リア・シート下のバッテリーが大きいため、足元の容量は450ℓから405ℓに減少した。

ドライバーはオートeドライブ、マックスeドライブ、バッテリー保護という3つのモードを選択できる。各モードについて軽く説明しておくと、オートeドライブでは「経済的であること」を指標に制御がなされる。

マックスeドライブを選択すると、約125km/hに到達するまでモーターはフル・パワーで駆動し続け、エンジンはよりハイ・パワーを欲するような状況、もしくはバッテリーに充電する際にしか働かない。バッテリー保護モードについては説明不要だろう。

ちなみにバッテリーの電力は、エンジンが始動して充電されることももちろんだが、クルマが惰性で進んでいるときか、ブレーキをかけている際のエネルギーでも充電される。

いざ乗ってみると、デフォルトで設定されているオートeドライブで車体は滑らかに走り出し、低速でも力強いトルクを感じ取ることができた。

ただし、根本的な部分に問題がある。

一言で表すのなら「ごちゃまぜ」

メーカー公称の0-100km/h加速のタイムは6.8秒だったが、実際に運転した際はもっと速く感じ、都市部でのドライブでもどっしりと構えた印象だった。

従来のクーパーSカントリーマンは、0-100km/h加速が7.2秒だったのに対し、S Eはエンジンばかりに頼らない電気のアシストと、トランスミッションのおかげでとてもスムーズだ。

エンジンとモーター、それを4輪に駆動させているということが、このS Eの力強さの源なのだろう。

ただしこのクルマを一言で表すのなら「ごちゃまぜ」。オプション装備(広報車にも装着されていた)の18インチ・ホイールと、255/45のタイヤ。これがクルマの見た目をガラリと変えるし、取り回しのしやすさも(悪い意味で)左右してくる。

ステアリングは活気がなく、不必要に重たい。ハイブリッド・システムが増えたことによる重量増も祟って、トルク感は増したが、反面少し苦しい乗り味でもある。

■「買い」か?

「商売の都合」で生まれたクルマ?

クーパーS Eは、すぐれたハイブリッド車を作るという目的で生まれたのではなく、「ミニのハイブリッド車を作る」という都合で生まれたのだと思う。

したがって、そもそも純粋にハイブリッド技術に着目すべきクルマではない。

お寒いと感じたリアのモーターは、街中の渋滞などではトルク感が味わえ、楽しいのかもしれない。こと田舎道においても静かなクルーザーのような乗り心地であることは確かだが、これまでのカントリーマンとは(悪い意味で)一線を画し、「重さ」ゆえにドライバーの望む動作に忠実ではないと感じた。
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ミニ・カントリーマンS E クーパーALL4

■価格 £31,585(467万円) 
■全長×全幅×全高 4299×1822×1557mm 
■最高速度 198km/h 
■0-100km/h加速 6.8秒 
■燃費 47.6km/ℓ 
■CO2排出量 49g/km 
■乾燥重量 1660kg 
■エンジン 直列3気筒1499ccターボ・ガソリン+モーター 
■最高出力 224ps 
■最大トルク 39.3kg-m 
■ギアボックス 6速オートマティック+シングル・スピード