取り扱い説明書に「通常は外気導入で使用」と記載のある車種も

5月の新緑の季節、表を歩くには一番気持ちのいい季節で、ドライブ中も窓を開ければ心地よい風が入ってくるが、窓を閉め切るとクルマのなかはかなり高温に……。また6月になれば、梅雨にも入り、これからはエアコンが大活躍する季節になる。

そのエアコンの使い方でよく話題になるのは、「内外気切り替えスイッチ」の使い方。つまり、外気を室内に入れる=「外気導入」と、外気を遮断し、車内の空気を循環させながら温度を冷やしたり、温めたりする「内気循環」がいいのか、というハナシ。

最近のクルマは、オートエアコンが主流で、オートエアコンのクルマなら、エアコン使用時は、まず「AUTO」スイッチを押し、「内外気切り替え」を含め、すべてオートエアコンに任せっぱなしにするのが一番効率がいい。

通常、外気と車内の温度差が大きいときは、エアコンON=「AUTO」にすると、まず内気循環になり、しばらくして設定の温度近くまでになると自動的に外気導入になる。

マニュアルエアコンの場合は、どうかというと、自動車メーカーの取扱説明書を見ると、「通常は外気導入でご利用ください」という指示があり、内気循環は、「トンネル内や渋滞など外気が汚れているときや、急速に冷房したいときなど、外気を遮断したいときに使用します」などと書かれている。

いずれにせよ、メーカーでは基本的に「外気導入」を推奨しているということ。

外気導入と内気循環それぞれのメリットは?

外気導入の利点は、

・窓の曇りが取れやすい

・換気ができる

・酸素濃度が下がらない

など。

一方、内気循環は

・冷暖房が早く効く

・排気ガスや花粉、車外の汚れやニオイが車内に入りにくくなる

・燃費が若干良くなる(エアコンの効きがよくなる分、コンプレッサーの負荷が減るため)

など。

自動車メーカーが、外気導入を勧めるのは、主として、窓が曇りづらくなることと、長時間内気循環にすると車内の空気が汚れ、酸素も不足し眠気をもよおすため。また、タバコ、汗、食べ物、飲み物、その他のにおいに敏感な人は、外気導入を主体にした方がいいはず。

エアコンフィルターがついているクルマなら、外気導入でも車外からの花粉やホコリ、砂ぼこりをかなりブロックしてくれるはず(交換サイクルは1〜2年)。反対に、エアコンフィルターのついていないちょっと前のクルマは、外気導入が多いと、エバポレーターが汚れやすいという報告も……。

というわけで、基本は外気導入が主体。しかし、外気導入、内気循環のどちらをメインにするかは、最終的にはドライバーの判断でOKな部分。双方のメリットとデメリットを知ったうえで、臨機応変かつお好みでセレクトすればいいだろう。その判断が面倒な人は、「AUTO」モードに任せ切るのがベスト。

余談だが、暑いとき少しでも早く車内温度を下げようと思って、エアコンの設定温度を最低(18度)、風量全開になるよう、わざわざ手動で設定しなおす人がいるが、オートエアコンなら、希望設定温度(たとえば26度)に設定しておけば、自動的に内気循環、冷却MAX、最大風量で、設定温度に近くなるまで冷やしてくれるので、無駄な操作といえる。

メーカーの取扱説明書にも、「希望温度に設定したら、温度調節ダイヤルをむやみに動かさないでください。設定温度への到達時間が長くなることがあります(ホンダ:ステップワゴン)」と書いてあるので、覚えておこう。