男の乳腺専門医「異常ナシより手術が儲かる」嘘のがん告知(出典:http://www.bbc.com)

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女性の幸せを、生き方を180度変えてしまうほど悲痛なものである乳がんの告知。しかし、その男の医師にとってそんなことはどうでもよかったという。金儲けのため、健康な女性に偽の乳がんを告げては切除手術を行ってきた卑怯極まりないイギリスの乳腺専門医に有罪の評決が言い渡された。

ウェスト・ミッドランズ州のいくつかの病院で乳腺専門医として働いてきたなか、1997年からリトルアストンやソリフルにクリニックを開業し、大変な数の乳がん検診と各種治療および4000件以上の手術を行ってきたイアン・パターソン(59)。エジバストンに豪邸を、そしてアメリカにも別荘を構え、高級車を乗り回す生活を送ってきた3人の父親であるこの男が、このほど英ノッティンガム刑事法院の法廷で断罪された。

パターソンは乳がん検診を受けた者に対し、たとえ健康な乳房であっても次々と「がん」あるいは「がんを発症する危険が高い」と告知し、切除を強く勧めて手術に持ち込んだ疑いがもたれていた。ソリフルのある病院でパターソンの診察を受けた女性が不信感を抱いて警察に相談し、その後の調査で様々なことが明らかになってきたと『BBC』ほかが伝えている。

起訴の時点で被害者は少なくとも10名おり25歳から55歳までの女性9名、男性1名。ある女性はパターソンのもとで7年に6回もの手術を受け、左右両方の乳房を失ったという者もいる。手術の数年後に妊娠・出産したある被害者は「母乳を与えることができず、本当に苦しい思いをした」と涙ながらに話すなど、被害者の身体的・精神的ダメージは相当なものである。民間の医療保険に加入している者は手術や二次的な治療の費用がそこから支払われたが、一部の患者は自己負担で手術を受けており、また高額な治療が行われた例があることもわかっている。

これにより、虚偽の診断書および悪意のある医療過誤など20ほどの罪状につき訴えられていたパターソン。このほどノッティンガム刑事法院で行われた裁判で、検察側は医師の使命感を忘れて贅沢な暮らしに溺れ、大金を稼ぐことばかりに夢中になっていた被告を厳しく突き、6人の男性と5人の女性で構成された陪審員は被告に有罪の評決を下した。

刑罰の検討はこの後だが、大切な乳房を失った女性たちは「それでも許せない。人生を台無しにされた」「神のように信頼していた医師に裏切られるくらい悔しいことはない」などと語り怒りは収まっていない。パターソンにより乳房切除手術を受けたほかの患者や家族が損害賠償の支払いを求めて次々と訴えるのは時間の問題であろう。

出典:http://www.bbc.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)