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IDC Japanは5月10日、国内ビッグデータ・インフラストラクチャの技術動向分析結果を発表した。これによると、ユーザー企業にとってビッグデータ・インフラストラクチャにおける新たなテクノロジーの理解は、DX(デジタル・トランスフォーメーション)エコノミーのリーダーになるかフォロワーになるかの分水嶺になるという。

同調査は、ビッグデータを利用するユーザー企業がテクノロジーをどのように選定しているのか、インタビュー形式で実施。ユーザー企業ではビッグデータの利用度合いに応じて、インフラストラクチャ導入におけるテクノロジーの重要性が高まっており、IoTやコグニティブ/AIシステムによる需要の拡大を受け、ITサプライヤーは用途に適したテクノロジーを提供する傾向となっている。

同社は、DXによる競争優位性を確保するため、ユーザー企業はビッグデータ・インフラストラクチャのテクノロジーの動向を注視すべきであると提言している。今回の調査結果から、ユーザー企業におけるテクノロジーの選定や利用状況は、ビッグデータの利用度合いに応じて「導入期」「定着期」「用途拡大期」の3フェーズに分類できることがわかったという。

各フェーズには特有の懸念事項が存在しており、それぞれの懸念事項への対処方法がテクノロジーの選定に影響を及ぼしている。

導入期では、導入時における投資回収リスクの回避を優先し、保有機材の再利用を含む汎用性の高いインフラストラクチャや、人的リソースの負荷を軽減するために既存のハードウェアやソフトウェアと同一のベンダー製品を選定する傾向にあるという。

メリットである利用効果の算出が難しいことを背景に、デメリットとして挙げられるリスクの最小化により、投資効果を最大化するといったアプローチをとることで経営層の判断を促し、早期の利用開始を狙ったものと同社は想定している。

一方、本格運用にあたり、利用機会の少なさが課題になることから、定着期では利用者を獲得しやすいSQLの利用環境を整備している。その後の用途拡大期では、用途の増加によってさらなる成果が求められるため、それぞれの用途に特化したテクノロジーを検討する傾向にあると推測。

現在、ビッグデータ利用は黎明期から既に普及期に入っており、効果が広く認知されつつあるため、これからビッグデータを利用や用途拡大を検討している企業は、過度に投資回収リスクの回避を優先するのではなく、積極的に新たなテクノロジーを利用することで、先行する競合他社をキャッチアップしていくことが可能だという。

例えば、短期的なリスク回避を重視した選定によって偏ったテクノロジーの理解を社内に醸成すると、DXエコノミーのフォロワーとなり収益確保が困難になる可能性が高まることを想定している。

新しいテクノロジーの採用を検討する際は、企業が自らインフラストラクチャにおけるテクノロジーの動向を注視する必要があり、今後ビッグデータを利用していくユーザー企業には、自発的なテクノロジーの理解に基づくインフラストラクチャの選定が求められるという。

同社のエンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストである加藤慎也氏は「ユーザー企業はDXを実現するため、自社に適したビッグデータ・インフラストラクチャのテクノロジーを理解すべきである。適材適所にテクノロジーを選定することによって、イノベーション・アクセラレーターの活用効果を最大化し、業種や規模を超えて、有力なDXエコノミーの担い手になれる可能性がある」と述べている。

(山本善之介)