香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは8日、米国の新政権がアジアの同盟国と交流を欠いていることからワシントンの評判は打撃を受けており、北京が東南アジアで戦略的空白を埋める扉を開くとする新たな調査結果が発表されたと伝えている。資料写真。

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2017年5月9日、参考消息網によると、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは8日、米国の新政権がアジアの同盟国と交流を欠いていることからワシントンの評判は打撃を受けており、北京が東南アジアで戦略的空白を埋める扉を開くとする新たな調査結果が発表されたと伝えている。

シンガポールの研究機関、ISEAS−Yusof Ishak Instituteが、東南アジアの318人を対象に行った調査で、半数以上がトランプ米大統領の就任以降、米国が戦略的地位を中国に奪われており、中国がこの地域で最も影響力のある国となっていると考えていることが分かった。

外交専門家は「この調査結果は、中国の主張が強まる中で、米国の意図的で緩やかな撤退に対する東南アジア諸国の懸念の広がりを反映したものだ」と指摘する。

この調査結果は、ティラーソン米国務長官が、ワシントンで東南アジア諸国連合(ASEAN)との外相会議を開き、ASEAN諸国に対する米国の安全保障面での約束をようやく更新した先週に公表されたものだ。

調査に協力したASEAN諸国10カ国の政府、学界、企業、メディア、市民などの回答者の70%以上が、米国の評判はトランプ政権下で悪化したもしくは大幅に悪化したとの認識を示している。

米国の環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を含むトランプ氏のこの地域に対する無関心さを受け、54%を超える回答者が米国の信頼度は4カ月前よりも低くなっていると答えている。

この地域の多くの人々は、米国の関与が地域の安全保障に重要だと考えており、68%が主要な貿易ルートである南シナ海の紛争海域での「航行の自由作戦」を継続すべきだとしている。

一方で、米国が現在または10年後もこの地域で最大の影響力を持つ国だと考えている人は3%をわずかに上回る程度にとどまり、75%近い人が、中国がすでに東南アジアにおける支配的権力となっており、その影響力は今後10年間で拡大するとみている。また65%近い人は、自由貿易や人権、国際法を守るために米国を信頼することはできないと答えている。

中国政府系のシンクタンク、中国社会科学院の東南アジア問題専門家、許利平(シュー・リーピン)氏は、調査結果について「トランプ政権に軽視されているかもしれないという東南アジア諸国の不安の増大をリアルに表している」とし、「周囲を強国に囲まれた東南アジア諸国はバランスゲームを慎重に行う必要がある。中国の拡大しつつある影響力と米国の影響力の弱まりを目にし、こうした思いが混ざっているのだろう」と分析する。その上で、「中国は近年、東南アジアの近隣諸国との政治的・経済的関係の強化に努めているが、その影響力を過大評価してはならない。東南アジア諸国は依然として、米国がこの地域の問題に関与し、中国をけん制することを望んでいる」とも指摘している。(翻訳・編集/柳川)