核シェルターや独立国家など、物理的にも法律的にも隔絶された場所に設置されたホスティングサービスは「防弾ホスティング会社」と呼ばれ、誰も手出しできないことからサイバー犯罪の巣窟になっていると言われています。そんな世界中に実在する防弾ホスティング会社を調査ジャーナリストが実際に突撃し、サイバー犯罪の現状を探った緊迫感あふれるドキュメンタリーシリーズ「インターネットで最も危険な街」がノートンによって制作されています。

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防弾ホスティング会社の多くは、セキュリティ上の理由からその所在地を明らかにしていませんが、ノートンはいくつかの防弾ホスティング会社の所在地を世界地図に記しています。ムービーではこのうち、主権国家を宣言しているシーランド公国のヘイブンコー、オランダの核シェルター内にある「サイバーバンカー」、WikiLeaksがデータ保管に使っていたことで知られるスウェーデンの「バーンホフ」、東南アジアの悪徳ホスティング業者「シネパック」、オランダの防弾ホスティング会社「エカテル」を尋ねるというもの。



実際に「インターネットで最も危険な街」がどんなムービーなのかは、以下から見ることができます。「設定」から「字幕」をクリックし、「日本語」を選択すれば日本語字幕で鑑賞することが可能です。

The Most Dangerous Town on the Internet - Where Cybercrime Goes to Hide - YouTube



世界各地の「インターネットで最も危険な街」を訪れるのはジャーナリストのヘイドン・プロウズ氏。



ヘリコプターに乗って最初にやってきたのは、海上に放棄された第二次世界大戦時の要塞を主権国家と宣言している「シーランド公国」。



シーランド公国にはライアン・ラッキー氏が設立した世界初の防弾ホスティング会社「ヘイブンコー」が存在します。シーランド王国のような隔絶されたエリアで保管されるデータサービスは、タックスヘイブンならぬ「データヘイブン」と呼ばれています。データヘイブンにあるサーバーにはホスティング会社以外誰も手出しできないため、データを保管する上では地球で最も安全だと言われています。しかし、データヘイブンは犯罪者が利用することもあるため、警察の手が届かないという問題が発生しているとのこと。



ヘリコプターにはシーランド公国のジェームス・ベーツ王子が搭乗しています。



ベーツ王子の祖父がこの要塞を国家として主張したことからシーランド公国が誕生したとのこと。自分の王国を所有することについて「周囲の目を気にせず、何でも好きなことができる自由がある」と述べています。「データを保管するには恐ろしく手間がかかりそうですね」と言われると、「そうだけど、自分の財産を守るために労をいとわない人がいる。そうだろう?」と王子は話しています。



なお、シーランド公国で世界初の防弾ホスティング会社「ヘイブンコー」を設立したライアン・ラッキー氏は、王子らとの意見の違いからヘイブンコーを離れているとのこと。王子いわくラッキー氏は銃器やミサイルを販売するような人間に対しても平等にサービスを提供するべき、という考え方の持ち主だったそうです。ラッキー氏は現在シリコンバレーのセキュリティ会社のセキュリティ部門に籍を置いているそうですが、この会社は多数のISIS系ウェブサイトをホストしているとして、アノニマスに強く非難されています。



続いてやってきたのは、冷戦時代に作られたオランダの核シェルター内にある「サイバーバンカー」というホスティング会社。



人里を隔てたかなり怪しい場所に門が立っており、同行者も「本当に大丈夫か?」と不安な声をあげています。



呼び鈴を押しても反応がなかったため、プロウズ氏は門を乗り越えて突破することに。同行者は「それは違法だぞ!」と警告しています。



中にはサイバーバンカーの所在地とされる核シェルターがありました。



警備犬がいると警告がありますが、敷地内に犬はいない様子。



全く人気がないものの、ドアの横には作動するフェイススキャナーや……



ごみ箱の中に比較的新しいごみがあり、最近まで誰かが使っていたことは間違いないとのこと。



周囲には監視カメラがあり、誰も出てくる気配がないものの、プロウズ氏は「潮時」と判断していったん退散することに。



途方に暮れていたところ、サイバーバンカーの所有者を知るブラックハッカーとコンタクトを取ることに成功。サイバーバンカーに潜入できるアポを取り付けました。



改めて核シェルターを訪れると、今度は門が自動で開かれ……



ホスティング会社のCEOとCSO(最高戦略責任者)が出迎えました。



プロウズ氏が「サイバーバンカーに歓迎してくれるんですか?」と尋ねたところ、現在は「サイバーバンカー」という名前はなく、「ML01」と呼んでいると説明されています。



核爆発に備えたドアを通ると……



中にはまるで映画「博士の異常な愛情」のような空間が広がっていました。



ジェンセンCSOが物理的な施設に加え、クラウド・ビッグデータ・IoTなど最新トレンドに対する確固たるセキュリティを備えていることを説明。



ストレージの提供先について尋ねたところ……



「それを言うことはできない」としながらも、大まかに言えば政府機関などであるとのこと。犯罪者の巣窟として悪名高かったサイバーバンカーは、政府機関や大企業に対する防弾ホスティング会社に変わっていたというわけです。



次にプロウズ氏が訪れたのはスウェーデン。ストックホルムの丘の地下30メートルのところに核バンカー「バーンホフ」が存在するとのこと。



バーンホフはWikiLeaksがホストしていたことで知られています。



プロウズ氏を出迎えたのはバーンホフのヨン・カールングCEO。



入り口は防爆ドアになっている様子



施設の燃料はディーゼル発電で行っており、いかなる状況においてもデータが危険にさらされることはないよう考慮されています。



WikiLeaksが使っていたサーバーを案内されるプロウズ氏。



プロウズ氏が「下には(サーバーの中には)何か違法なものがあるんですか?」と尋ねます。



するとカールング氏は「あるかもしれない。インターネットには違法なものが出回っている可能性がある。しかし私は箱を開けない。箱に何が入っているかは知らない」と答えます。



カールング氏は「手紙の内容は見ずに、配達するだけ」という風にホスティングサービスを郵便屋に例えており、自社サーバーから配信されるコンテンツに対する責任は負わないという考え方を示しています。



このように自らを「郵便屋」と考える防弾ホスティング会社は多いとのこと。ノートンセキュリティの専門家であるリアム・オマク氏は「本当に郵便局なら、苦情が来た時に対処する必要があります。郵便局に爆弾はありません」と批判しています。



ストックホルムを後にしたプロウズ氏は、この後も堅固なデータセンターを煙に巻く悪徳ホスティング会社「シネパック」が東南アジアに存在すると聞きつけマレーシアに向かったり、顧客を装ってオランダの防弾ホスティング会社「エカテル」に潜入したりと、危険を顧みず「インターネットで最も危険な街」を渡り歩いて行きます。ホスティング会社だけでなく、WikilLeaksのジュリアン・アサンジ氏の右腕だった男性や、東南アジアで活動するホワイトハッカーと接触したり、イスラム聖戦士のウェブサイトを攻撃することで知られるハッカーとチャットで対談したりと、現代のインターネットセキュリティの現状を切り開いていきます。見応えのある内容になっているので、気になる人は最後まで鑑賞してみてください。

なお、「インターネットで最も危険な街」はノートンのドキュメンタリーシリーズの第2弾。第1弾となる「インターネットで最も危険な街を訪ねて」も日本語字幕付きで以下から見ることが可能です。

インターネットで最も危険な街を訪ねて - YouTube