北朝鮮と中国を結ぶ貿易の大動脈、鴨緑江大橋が一時的に閉鎖されるかもしれないとの見方が浮上している。これは、中国の外交筋が米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に語ったものだ。

外交筋は橋の一時閉鎖が検討されていることについて、北朝鮮の核実験に警告を発すると同時に、北朝鮮が最近、メディアを通じて中国を激しく非難していることに対して、もはや座視しない姿勢を示すものだと述べている。閉鎖の時期については、5月中とのことだ。

中国当局は、鴨緑江大橋の補修の必要性を以前から訴えており、これを口実に長期間通行止めにする可能性がある。

中朝貿易の7割を担う大動脈であるこの鴨緑江大橋は、日本の植民地支配下にあった朝鮮の新義州(シニジュ)と、日本の傀儡国家であった満州国の安東(現丹東)を結ぶ2本目の橋として、1943年にかけられた。

朝鮮戦争中に米軍の爆撃で破壊されたが、修復されて今に至るまで使い続けられている。老朽化が激しく、ちょっとしたことで橋の一部が破損する事故が多発している。2015年9月に起きたトラックの横転事故では、橋脚の一部が破損した。

同年10月に2度にわたり補修工事が行われ、通行止めとなったが、その影響で物流が滞り、北朝鮮の物価が上昇してしまった。

中国は2016年8月に本格的な補修工事を行う予定だったが、延期となった。

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工事期間として40日が予定され、「そんなに長期間通行止めにしたら貿易に支障が出る」と北朝鮮側が難色を示したからだ。迂回しようにも、鴨緑江大橋から最も近いのは直線距離で北東に200キロ離れた吉林省の集安だ。

北朝鮮はその際、「速度戦でやればいい」と要求したが、中国は突っぱねた。

北朝鮮式の速度戦は手抜き工事の温床だ。中国当局の予算で行った工事が事故の原因となれば、中国国民の怒りは当局に向かいかねない。

中国は既に、22億2000万元(約364億円)の建設費を全額負担し、鴨緑江大橋から下流10キロのところに新鴨緑江大橋を完成(2014年10月)させている。

ところが、北朝鮮当局が接続道路や税関などの整備を全く行わず、未だに開通できずにいる。北朝鮮は、中国に対して残りの施設の建設も要求し、中国は難色を示している。