貧しい国の平均寿命は裕福な国の平均寿命よりも短いことが一般的に知られています。しかし、先進国であるアメリカ国内でも平均寿命の地域間のバラツキは厳然と存在しており、「平均寿命の格差」が広がる傾向にあることが分かっています。

U.S. life expectancy varies by more than 20 years from county to county - The Washington Post

https://www.washingtonpost.com/news/to-your-health/wp/2017/05/08/u-s-life-expectancy-varies-by-more-than-20-years-from-county-to-county/

Institute for Health Metrics and Evaluationの研究者が、1980年から2014年までの全米各地の死亡診断書を調査・分析したところ、アメリカでは全体として平均寿命がゆるやかに延びる傾向にあることが確認されました。地域を細分化して調べたところ、バージニア州ラウドワン群やワシントンD.C.では、同期間中に平均寿命が12.8%、12.4%もの伸びを見せるなど、死亡率が非常に低い地域があることが分かっています。

アメリカ全体的として見たときに平均寿命が伸びている反面で、平均寿命が短くなっている地域が一部にあることも判明しました。1980年に比べて平均寿命が短くなった郡のトップ10のうち、なんとケンタッキー州の郡が8つも占めるなど、平均寿命が短くなる傾向にある地域があり、平均寿命が伸びている郡との間には厳然とした格差があり拡大傾向にあることが確認されています。



そして、地域を細かい郡に分けた上で、郡ごとの平均寿命を比較すると、最も平均寿命の長いコロラド州のピトキンやイーグルでは平均寿命が85歳を超えているのに対して、最も平均寿命の短いサウスダコタ州オグラララコタでは67歳に過ぎず、地域間の寿命格差は20年近くになっている実態が明らかになっています。



今回の調査によって、世界一の経済大国であるアメリカ国内で「平均寿命の格差」が生じ、格差が拡大傾向にあることが確認されたわけですが、原因が何にあるのかは同調査では明らかにされていません。ただし、「健康管理の質」「健康増進プログラムへの近さ」などが原因だという指摘もあります。調査を行った一人であるワシントン大学のアリ・モクダッド教授は、「例えば、癌検診などの病気のスクリーニングへのアクセス性は、健康に対して重大な影響を与えます。アメリカは、予防医療にもっと投資し、健全な地域コミュニティを作り出すなどの包括的なアプローチを再考する必要があります」と、地域間の寿命格差の拡大に警鐘を鳴らしています。