アディショナルタイムも含めて、久保のプレー時間は15分弱。「悪くはなったかな、という感じ」とパフォーマンスについては可もなく不可もなくといったイメージか。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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[ルヴァンカップ5節]FC東京 4-3 大宮/5月10日/味スタ
 
「ここで話を聞いても平気ですか?」
 
 ミックスゾーンのスタート付近で声を掛けると、世間の耳目を集める久保建英が立ち止まった。

――トップチームで2試合目でしたが、手応えは?

 そう問うのとほぼ同時に、数多くの記者が集まってきたのを背中で感じた。
 
 少し間が空く。「そうですね……」。すぐに答を出すことはしない。しっかり考えを咀嚼して、質問を自分のものとしてから言葉を紡ぐ。
 
 いや、もしかしたら、81分から途中出場しただけで得点に絡んだわけではない自分にこれだけのメディアが群がるのを不思議に思ったのか。あるいは、記者が少し漠然とした質問をしたことで戸惑わせてしまったのかもしれない。
 
「(ルヴァンカップで)プレー時間はあんまり長くはなかったんですけど、2試合連続で出させてもらえた。(上手く試合に入れた?)悪くはなかったかな、という感じです」
 
 ボールを持てばスタジアムを湧かせたものの、やはりアディショナルタイムを含めて15分弱では話題もないのだろう。ベンチでゲーム展開を眺める時間のほうが圧倒的に長かったなかで、しかし、先輩たちのプレーに感じ入るものはあったようだ。
 
「ピッチ外から見ていて、良いサッカーをしているなと。何度も『ああ、上手いな』というシーンがあって、勝ち切ることができて、米本(拓司)選手も復帰されましたし、本当にいい日になりました」
 
 ピーター・ウタカ選手との連係を最後に聞いて、囲み取材が終わった。会釈をして去って行く久保は、この試合を最後にチームから一時的に離れる。5月20日に開幕するU-20ワールドカップに、日本代表メンバーとして「飛び級」参戦するためだ。
 
 今日のように「ベンチから」の起用もあり得るだろうが、それでも“久保狂騒曲”は続くのだろう。もしかしたら、その熱は加速度的に高まるかもしれない。
 
 2001年6月4日生まれ。まだ15歳。少年の面影を存分に残した「久保建英」。たとえ短い時間であってもトップチームでの経験は国際舞台でも生きるはず。いち記者として、いちファンとして、静かに見守っていようと思う。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)