ゴールデンウイーク真最中の2日夜、都内の雑居ビルから姿を現わした大男。よく見れば、それは――。三月場所で左胸部と左上腕部を負傷、療養一カ月と診断された稀勢の里(30)。春巡業を全休し、治療中の横綱だが、肝心の症状はいかがなものか。

「1日の番付発表では『痛みはほとんどない、大丈夫』と話し、当然、稽古総見にも出てくるものと思っていたので驚きました」(スポーツ紙記者)

 3日、横審稽古総見を稀勢の里はまさかの「欠席」。国技館に集まった8000人のファンをがっかりさせた。

「当日、横綱本人は『まだ関取とは相撲を取れる段階ではないので』と、欠席の理由を説明していました。本場所まで10日あまりで総見にも出られないのでは、回復具合はよくないのだろうと思わざるをえません」(前出・記者)

 番付発表後の稽古は取材陣に公開されるのが通例だが、田子ノ浦部屋での稽古は異例の非公開。このあたりも回復の遅れを危惧させる。

 そんな窮地の横綱が、いまいちばん頼りにしている人物がいる。理学療法士で、PNF研究所所長の國藤茂氏だ。

「3年ほど前から知人の紹介で通いはじめたのが『PNF』です。体のさまざまな箇所に刺激を与えることで、身体機能を向上させるリハビリ法です。トレーナーを務める國藤氏は三月場所で大怪我を負った稀勢の里から急遽、大阪に呼ばれ治療を施しました。それが功を奏して、あの逆転優勝になったわけです」(相撲ジャーナリスト)

「PNF信者」は稀勢の里だけではない。角界では若貴兄弟に始まり、現在も数名の力士がその治療法を頼りにしている。さらに浸透しているのが球界で、かつては野茂英雄や松井秀喜、現在も多くの選手が信奉している。

「9年連続60試合登板の『鉄人』こと、巨人の山口鉄也投手も長年通っていることは有名です」(同前)

 本誌が捉えた夜8時半の横綱の姿。治療は約1時間に及んだ。治療後、研究所から出てきた國藤氏を直撃した。

――横綱の回復具合はいかがですか?
「すいません、私の口からはなんとも」

――回復はしていますよね。
「それはもちろんです。回復はしていますよ。すいません、これ以上は……」

 決断に悩む稀勢の里に残された猶予は、初日の取組が決まる12日までだ。

(週刊FLASH 2017年5月23日号)