世界各地で現在、スペシャルティコーヒー店が人気になっており、コーヒー業界の歴史における「サードウェーブ」が到来したと言われている。

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世界各地で現在、スペシャルティコーヒー店が人気になっており、コーヒー業界の歴史における「サードウェーブ」が到来したと言われている。(文:徐航明。瞭望東方周刊掲載)

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「ファーストウェーブ」は、ネスカフェを代表とするインスタントコーヒーが誕生し普及した時期で、多くの人にとってコーヒーが欠かせない生活必需品となった。「セカンドウェーブ」は、スターバックスを代表とするコーヒーチェーン店が世界で流行した時期だ。それらのチェーン店は、コーヒーを販売するだけでなく、くつろぎながら友人とおしゃべりなどができるオシャレなスペースとなり、コーヒー文化の幅が大きく広がった。

そして、現在は「サードウェーブコーヒー」が到来している。その主役は、コーヒー豆の仕入れからドリップまで、とことんこだわったスペシャルティコーヒー店だ。「ファーストウェーブ」、「セカンドウェーブ」との最大の違いは、「サードウェーブ」では本格的な「職人精神」が強調されている点だ。コーヒー豆の仕入れからコーヒーが客の手に届くまでのすべての過程に、誠意と個性が詰まっている。

「サードウェーブコーヒー」の代表格となっているのが、米西海岸で店舗を展開する「ブルーボトルコーヒー」。元クラリネット奏者である創業者のジェームス・フリーマン氏は、「コーヒーマニア」で、コーヒーの品質には極端と言えるほどのこだわりがある。2002年ごろ、フリーマン氏はクラリネット奏者としての仕事をやめ、コーヒーショップの経営に集中するようになった。

そして、日本を何度も訪れており、東京の銀座や渋谷を歩いている時に、喫茶店の雰囲気に魅了されたという。それらの喫茶店は大型チェーン店のように、マニュアルに基づいて機械でコーヒーを作るのではなく、マスターが1杯ずつ丁寧にコーヒーをいれ、客はコーヒーが一滴一滴落ちていくのをカウンターで静かに見ており、時間が止まったかのような雰囲気が漂っている。

東京でのこのような体験を通して、「コーヒーや生活のクオリティにこだわる消費者の心をつかむ」というブルーボトルコーヒーの基本的なコンセプトが生まれた。しかし、フリーマン氏は、ブルーボトルコーヒーが町中の小さな喫茶店にとどまるのではなく、クオリティの高いコーヒーという概念を世界に普及させたいと思うようになった。それを実現させる唯一の方法が、コーヒーチェーンの経営スタイルと本格派コーヒーが味わえる店の雰囲気を融合させることだった。

例えば、ブルーボトルコーヒーではコーヒー豆をオーダーメイド方式で仕入れ、自家焙煎(ばいせん)し、本格的なコーヒーを手頃な値段で提供している。また、店内は広々として静かで、カウンターはアイランド型になっており、大きな機械に遮られることなく、店員が客と近い距離でやりとりできる環境になっているところが大きな特徴だ。カウンターと座席の視線の高さも綿密に計算し、客が慌しい生活からしばらく離れ、ショーを見るかのようにバリスタの職人技をゆったりと見ることができるようになっている。

ブルーボトルコーヒーは現在、シリコンバレーの複数の企業から融資を受け、海外にも進出している。国外初の店舗を設置したのは、もちろんフリーマン氏にインスピレーションを与えた日本。現在、東京の新宿や六本木などに4店舗ある。いずれの場所も繁華街であるものの、「静かな隠れ家」という雰囲気を味うことができる。

中国の大都市では現在、コーヒーチェーンが依然として市場で大きな位置を占めているものの、その中心街ではスペシャルティコーヒー店がますます人気を集めており、「セカンドウェーブ」と「サードウェーブ」の中間にあるといえる。しばらくすれば、「サードウェーブ」が中国のコーヒー業界に変化をもたらし、中国でその波をけん引する人物が登場する可能性も十分にあるだろう。(提供/人民網日本語版・編集/KN)