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SUPER BEAVER

都会のラクダSP〜ラクダビルディング〜

2017年4月30日@日比谷野外大音楽堂


恐ろしいほどの確信に満ちていた。決して順風満帆ではない道のりを紆余曲折しながらも進み、立ちはだかる困難の壁を乗り越えてきた彼らだからこその説得力がそこにはあった。バンド結成13年目、SUPER BEAVERがついに辿り着いた日比谷野外大音楽堂初ワンマンライブ。シングル「美しい日 / 全部」発売記念ツアー『“岡東阪”ラクダSP』東京公演『都会のラクダSP〜ラクダビルディング〜』だ。


TEXT BY 本間夕子

PHOTOGRAPHY BY Suzuki Kouhei & MAYUMI(kiss it bitter)




美しい日は全部あなたとともに更新していく


立ち見席にも観客が溢れる満員御礼の場内。まだ明るい空の下、大歓声に包まれて4人が姿を現わすや、早くも昂揚のギアがトップに入った。


「美しい日は全部あなたと共有していくのが、美しい日は全部あなたとともに更新していくのがレペゼン・ジャパニーズ・ポップ・ミュージック・フロム・トウキョウ・ジャパン、SUPER BEAVERでございます。聖地、日比谷野外音楽堂に参上! 楽しみにしてきましたか?」



渋谷龍太(vo)

渋谷龍太(vo)の扇情的な呼びかけに野太く応えるオーディエンス。瞬く間に起こった盛大なクラップが都会の青空に溶けて、会場を取り囲む緑の木々をも揺らすかのようだ。4人も負けじとタフな演奏で上述の最新シングル曲から少し懐かしい曲、アッパーなナンバーからシリアスに迫るミディアムチューンまで縦横無尽に畳み掛けて興奮の火にさらなる油を注ぐ。ステージから放たれる熱、それを受け取った客席から彼らめがけて投げ返される熱、互いのエネルギーが相乗し合っていっそう熱く濃厚になる空気。初めての野音ライブとは思えないくらいの一体感にひたすら圧倒されてしまう。



柳沢亮太(g)

それでも彼らはここを選んだ。「やっぱり俺らはバンドだから」


昨年開催されたツアー『「27」Release Tour 2016〜27こぶ、ラクダ〜』にて全国27公演をすべてソールドアウトし、最終日のZepp DiverCity(TOKYO)公演も大成功に収めた彼ら。MCで渋谷も口にしていたが、キャパシティ的にはZepp DiverCity(TOKYO)もこの野音もさして違いはなく、だとすれば今回のツアーではより大きな会場を目指すこともできただろう。それでも彼らはここを選んだ。渋谷の言葉を借りれば「やっぱり俺らはバンドだから」だ。



上杉研太(b)

思えばSUPER BEAVERほど真っ当に、真っ正直に“ロックバンド”を体現し続けているバンドもそういない。10代でメジャーデビューを果たしながらも、本当に自分たちのやりたいこと、大切なものを守りぬくために自らのレーベルを立ち上げ、満身創痍になろうともその道を貫いてきた。彼らが味わった挫折感や孤独は想像も及ばないが、不器用であっても信念に誠実なその生き様は音楽となってたくさんの人たちを励まし、奮い立たせた。生き様、すなわち音楽。それをロックと呼ばずしてなんと言おうか。



気づくまでにだいぶかかったけれど、気づけない人生よりはマシだと思ってる


「正直、このビジョンは想像してなくて。俺、バンドを始めたのは成り行きだから。ベースの上杉に誘われたから、やってただけ。不思議なもんだね」


会場を見渡してはそううそぶく渋谷に「俺は確信を持ってたけどね」と間髪入れずに上杉研太(b)がカットイン。「さすがリーダー」と柳沢亮太(g)と藤原”28才”広明(ds)が声を揃えて客席の笑いを誘う場面も途中にあったのだが、そのときの、一緒になって吹き出しつつ「これがバンドでーす」とおどけて両手を広げてみせた渋谷の、その実、誇らしげな表情が今も印象に残っている。



藤原”28才”広明(ds)

4人だけになったとき、それでも応援してくれる人がいたこと。続けていると仲間が増える、その意志に共感して力を貸してくれる人が出てくる。音楽をやる意味ってここにあるのかと気づいたこと。気づくまでにだいぶかかったけれど、気づけない人生よりはマシだと思ってる、そう渋谷は言った。だからこそ「まっすぐ目を見て音楽を聴いてくれるあなたの前では、嘘をついたカッコ悪い姿はさらしたくない」とも。そうして「今の我々の、あなたに向けての意思表示です」と演奏された「人として」がずっしりと胸に響いた。



ただ続けるのではなく、意志を持って続けることに意味があるとこの日、身をもって彼らは示してくれた。意志を貫く姿勢、守り通す姿はとても素敵でカッコいいということ、そしてここが彼らのゴールではないということも。SUPER BEAVERが突き進む明日を、その先をまだまだ見たい。




プロフィール


スーパービーバー/渋谷龍太(vo)、柳沢亮太(g)、上杉研太(b)、藤原”28才”広明(ds)。2005年4月、結成。2009年、シングル「深呼吸」でメジャーデビュー。2012年、自主レーベル“I×L×P× RECORDS”を立ち上げ、2014年2月にはeggman内に発足した新ロックレーベル[NOiD]にてアルバム『361°』をリリース。


オフィシャルサイト



リリース情報


2017.01.25 ON SALE

SINGLE「美しい日 / 全部」

[NOiD] / murffin discs