iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の制度改正について議論している社会保障審議会企業年金部会 確定拠出年金(DC)の運用に関する専門委員会が5月10日、東京・永田町で開催され、「運用商品数の上限」、および、「デフォルト商品(指定運用方法)の基準」について、まとめの議論が行われた。(写真は、第6回確定拠出年金の運用に関する専門委員会の様子)

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 iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の制度改正について議論している社会保障審議会企業年金部会 確定拠出年金(DC)の運用に関する専門委員会が5月10日、東京・永田町で開催され、議論の焦点となっている「運用商品数の上限」、および、「デフォルト商品(指定運用方法)の基準」について、まとめの議論が行われた。その結果、運用商品数上限に「35本」という案が示され、企業型DCに加え、iDeCoも同等とすることで、ほぼまとまった。また、「デフォルト商品」についても、選定についての考え方が示された。同専門委員会は今年2月に設置され、関係団体、労使団体等からのヒアリングを経て、政令として示す「運用商品数の上限」、および、省令として示す「指定運用方法の基準」について議論。5月10日の会合が第6回になった。
 
■運用商品数上限は「現状」を優先、上限超えは5年間で調整
 
 「運用商品数の上限」については、改正DC法の制定過程で企業型年金等において、運用商品を指定しないで放置する「不指図者」が少なからず存在すること、元本確保型のみの運用が過半を占めること等が問題視され、その不指図の要因のひとつに「運用商品数が多過ぎることによって選択することをあきらめてしまう」ことが挙げられたことによる。DC法は、第1条で「確定拠出年金制度は、加入者が自己の責任において運用の指図を行い、その運用結果に基づいた給付を受ける制度」と規定している。「多過ぎて運用できないのであれば、何本に限定すれば運用を行うのか」ということが議論の焦点になった。
 
 専門委員会で議論が始まる前の段階では、欧米のDC制度の事例を踏まえ「10本程度」を軸に議論が進むとの見方もあったが、関係団体からのヒアリングによって「20本〜30本+α」という声が大きいことを確認。その後、厚生労働省が示した「運用商品提供数と不指図者の関係について(企業型年金)」の調査資料によって、運用商品数が36本以上になると不指図者の割合が急速に高まるという実態が示されたことで「35本」という数値が明確に意識されるようになった。
 
 5月10日の専門委員会では、「企業型年金の上限を35本」という案が示されたことに関しては、委員の間で特に異なる意見は出なかった。一方、「個人型年金についても、企業型を参考に同水準の上限としてはどうか」という点には、1人の委員から「iDeCoは個人が自由に運営管理機関を選べるので、企業型と同様の制限を設ける必要はない」という意見もあったが、その他7人からは、特段の反対意見は出なかった。商品数の数え方として「ターゲットイヤー型のみ、まとめて1本と数える」とされた。
 
■上限設定で運用商品の「品質」を再検証
 
 運用上限数を「35本」として考えると、現在のiDeCoプランの中では、運用商品数が65本のSBI証券、40本の岡三証券が、規定を上回ることになる。2018年6月の施行から「5年を超えない期間内」という経過措置の期間に、運用商品数を35本以内に減らすことが必要となる。運用商品数の上限を超えている2社は、できるだけ早いタイミングで削除対象商品について加入者に示す必要があるだろう。5年の経過措置期間があれば、削除対象商品を保有している加入者も十分に余裕をもって、商品の入れ替えを実行できる。
 
 委員会では「運用商品の除外の際に実務上留意すべき点」も示され、「信託報酬の水準」、「運用成績」、「除外後の運用商品全体の構成」、「手数料」、「当該商品の指図者数」など、具体的な項目を挙げ、加入者に情報提供した上で、除外手続を進めることとされた。この除外要件を考慮すれば、たとえば、同じ株価指数に連動するインデックスファンドであれば、信託報酬の高い方の商品が除外対象になることが想定できる。