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もうすぐ母の日である。今年のアタマに笠井美史乃さんが執筆された「団塊世代の親とApple Watchの『アクティビティ』を共有してみた」という記事を見て、お、これはと思った筆者もiPhoneとApple Watchを母親にプレゼントすることに。

Apple Watchでは、日々の運動量を記録できる「アクティビティ」機能を、自分以外のApple Watchユーザーと共有できるようになっている。これはwatchOS 3以降がインストールされたApple Watchで有効となるのだが、この機能を使うと、共有した相手の活動量をリアルタイムで把握することができるようになるのだ。

自分の母親もいろいろと心配な年齢に差し掛かってきたので、これは使えるんじゃないかと思った次第だが、実際のところ、越えなければならないハードルが幾つも待ち構えていた。

Apple Watchを使ってもらうには、まず、iPhoneがなければならない。そもそも、Apple WatchはiPhoneとセットでないと使えない。母親はガラケーのユーザーだったので、Apple Watchと一緒にiPhoneも渡した。

まあ、当然といえば当然だが、これは何なのか?という話になる。Apple Watchは一瞥しただけで腕時計のようなものであることは分ってもらえた。だが、iPhoneについては、それが何なのかパッと見、理解できなかったようである。これは電話なの? と。

電話もかけられるけど、他にもいろいろ用途があってさ、おいおい何に使えるか分るようになるからと伝え、躓きそうなところは全部、筆者が設定するということにした。そら、いきなりApple IDがどうのと言っても無理。パスワードとセキュリティ質問の回答だけ自分で考えてもらって、入力は筆者が行った。全く秘密になってないが、こっちが把握しておくことで、何かあったときに何とかできる可能性が高くなるとは言えよう。

Apple Watchについては、兎に角、毎日充電して着けてればいい、特別なことは何にもしなくていい、あとは普通の腕時計と同じように使ってくれたらとだけ。通知の機能やらApple Payだのは必要になったときに利用してもらって、そこで便利だと思ってもらえれば良しとした。

基本的な操作を一通りレクチャーしたつもりになって、帰京。だが、ここから問題がいろいろと表面化。最初のうちは順調でアクティビティも共有できていた。ところが、数日すると達成率が0%になっている。えっ!? 一週間ももたなかった? と思って、iMessageを送るも反応なし。渡してから初めての週末に「電話」してみると……。ずーっと装着していると言う。なら、どうして表示されない?? うーむ、もしかしてと、筆者はFaceTimeを起動。一瞬、あ、ひょっとして、応答の仕方が分らないかもと思ったのだが、ちゃんと出てくれた。「スライドで応答」の表示の意味はすぐ理解できたみたいだ。

こっちはMacの前でApple Watchを操作。「フリック」と言っても、意味不明だろうから、どうすれば良いのか映像で説明する。画面の下から上へのフリックでコントロールセンターを表示してもらったところ案の定、「機内モード」がオンになっていた。そのオレンジになってる箇所押してと指示すると、ようやく共有設定が復活した。

大体、何度もiMessageを送ってるのに、返信ないのはどういうことかと訊ねると、文字の入力ができるのは画面押したら分ったけど、どうやるのか分らなかったという返答が。しまった、ガラケー文化圏の人だから、QWERTYキーボードを打つのは無理か……配慮が足りなかったわと反省のち、音声で文字入力する方法を説明。これなら、キーボード打てなくても文字入力ができる。しかし、こういう場面でFaceTimeは超絶便利だ。映像見ながらApple WatchやiPhoneの操作ができるようになるから、余ってるiPadも渡しておこうかな。

とまあ、こんな感じで分らないことだらけ。iPhoneは使うの簡単と連呼してきた筆者だが、一連の発言を撤回しなければならないかもと不安になる。とは言え、千里の道も一歩から。最初は分からなくても、一つ使い方を覚えると、他の操作にも応用できるようになっているのがApple製品の特徴なのだ。なので、通話するのにも「電話」を使わず、「FaceTimeオーディオ」を利用するようになってきた。FaceTimeでビデオチャットを続けるうちに「オーディオ」のタブがあるのを発見し、音声通話ができるのが分ったようである。

ここで、気付いたことが三つ。一つは、筆者のような仕事に携わっていると、デバイスの使い方が分らない人の気持ちが分らなくなることがあるということ。これについては反省しきり。今後は晦渋なジャーゴンの濫用を控えるようにしたい。二つ目は、使い方が分らないという人も、赤ん坊が言葉を覚えるのと似たような過程を経て、デバイスを操れるようになるということ。三つ目は、使い続けてるうちに、その人がさまざまな局面でさまざまな機能を「発見」し、その人、独特の使用法が確立されるということだ。三つには連関性があって、使い方を知っている人間から、ああしろこうしろと指図されるのは余計なお世話以外の何ものでもないということも分った。Apple製品は、最初から十人十色の使い方ができるようになっているのだから、ああしましょうこうしましょうと指南するのもナンセンスと言えばナンセンスなのだ。

アクティビティ共有の話から大分逸れてしまったけれど、Apple Watchの装着もその後、継続している模様である。母は足腰が弱くなってきているので、どうしてもエクササイズゴールは目指せないのだが、スタンドゴールはクリアできている。時々、あれ?今日は全然立ってないな、ひょっとして寝込んでる?とか変な心配もするようになりつつも、以前より親子の関係が近くなったような気がする。当初の目的とは全然違うところに着地しそうではあるが、少なくともこれまでとは違う形でのコミュニケーションが生まれてきているということだけは確実に言えよう。Apple Watchは肉親の健康管理に使えるという射程に留まらないのだ。「新しいつながり方」を提唱しているApple Watchには、普段からの感謝の気持ちを伝えるのにぴったりな機能がいくつも搭載されている。

Apple.comでは、現在、「母の日のうれしさが、ずっと続くギフト。」という特設ページが公開されており、Apple Watchはもちろん、iPad ProやBeatsXイヤフォンなどをピックアップし、その魅力を紹介している。送料無料、最短で翌日にお届けというサービスを提供しているので、今からの手配でも十分間に合うはずだ。一緒にApple Store実店舗へ足を運ぶのもおススメだ。特にApple Watchはフィット感が重要なので、店頭で試着してから選んだほうが良い。また、Apple Store実店舗では、購入した製品を使い始める準備をアシストしてくれる「パーソナルセットアップ」が無料で受けられる。こちらのサービスも賢く活用してみてはいかがだろう。

(稲葉雅己)