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 日銀は10日、4月26日、27日に開催した日銀金融政策決定会合において各政策議員から示された主な意見を公表した。景気情勢に関しては、「緩やかな拡大に転じつつあると評価することが適当だ」と述べ、景気判断を上方修正し、リーマン・ショック前の2008年3月以来はじめて「拡大」と表現したが、2017年の物価上昇率の見通しについては下方修正した。

 会合において、景気動向については前向きな意見が多数を占めたが、物価については慎重な意見が出た。日銀によれば、消費者物価は今後、2%を目指して上昇を高め、2018年には2%に到達し、その後は安定的に推移していくだろうとしているが、会合に出席した委員からは「値上げ改定の動きが過去数年と比べて弱く、値下げの動きも見られる」という指摘も出た。

 日銀のいう予想物価上昇率の押し上げの力が期待どおり働くのかどうかは不確実であり、2019年までの見通し期間中、消費者物価上昇率は2%を大きく割るという予想も出ている。

 同会合では、人手不足が物価上昇につながるかという点について、委員の間で意見が割れたことが明らかにされた。前向きな意見としては「賃金上昇によって実際の物価が上がり、予想物価上昇率も徐々に上がる」という声もあったが、慎重派からは「深夜営業の停止などで雇用機会が減ることが、賃金上昇を押し下げ、物価上昇の支障となる可能性もある」という声もあった。企業の生産性に関してはまだ改善の余地があり、人手不足がすぐに賃上げに結びつくとは考えにくいという見方も。

 日銀は4月の会合で量的緩和政策を続行することも決定しており、金融政策に関しては、海外情勢の不安定さを考えると、当面は現行の枠組みのもとで、辛抱強く量的緩和に取り組むべきであると見解を述べている。長期金利(10年物国債)をゼロ%にするという目標については「日銀主導で操作目標を引き上げる必要はない」という意見も日銀内部にあり、大規模な国債買い入れで、国債の流動性が低下している点については調整が必要だと言う。