【ソウル聯合ニュース】10日に発足した韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、当面は安定的な政権運営に注力し、政府組織の改編は最小限にとどめると見込まれる。朴槿恵(パク・クネ)前大統領の罷免により大統領選が前倒しで行われ、政権引き継ぎ期間がないこともあり、できる限り国政運営に連続性を持たせる方針のようだ。文氏は選挙戦で「政権が代わったからといって政府組織を大きく変え、官庁を廃止・新設するやり方は望ましくない」と繰り返し強調してきた。

 だが、外交部に「通商」機能を加え、情報機関の国家情報院(国情院)を海外情報の収集専門機関に変更するなど、必要と判断した改編は行う方針だ。
 文氏はまず、現行の外交部を外交通商部に戻す計画にしている。2013年の朴槿恵政権発足後に外交通商部から通商業務が切り離され、産業通商資源部に移管されたことで韓国の通商外交部門が弱体化したとの判断によるものだ。
 特に、トランプ米政権の発足により米国と結んでいる自由貿易協定(FTA)の再交渉の可能性が浮上していることなどから、対応能力を引き上げるためにも外交と結びついた通商能力の極大化が必要とみている。
 政治への関与、介入が取り沙汰される国情院は、韓国内での情報収集業務を全面的に廃止し、対北朝鮮と海外・安全保障・テロ・国際犯罪の情報を専門に担当する「海外安保情報院」に改編するとしている。国情院の捜査機能をなくし、共産主義者に対する捜査権は国家警察の傘下に安保捜査局を新設して移管する方針だ。
 文氏はこの日の記者会見で、国情院長に同院第3次長などを務めた徐薫(ソ・フン)氏を内定したことを発表し、「国情院改革という目標を実現させられる最適任者。国内政治への関与を禁じ、純粋な情報機関として生まれ変わらせるものと期待している」と述べた。
 文氏はあわせて、現行の中小企業庁を「中小ベンチャー企業部」に格上げする方針だ。各官庁に分散している小規模事業者、自営業者、中小企業関連機能を中小ベンチャー企業部に一元化して政策の樹立と制度の立案を担当させ、「第4次産業革命」への対応でも陣頭指揮を執らせる考えだ。
 このほか、国民安全処から消防防災庁と海洋警察庁を独立させ、大統領が大規模災害時にコントロールタワーの役割を担えるよう青瓦台(大統領府)の危機管理センターを強化する計画だ。
 さらに、検察による権力におもねった捜査を防ぐため、高官の不正行為に対する捜査や訴追を担当する組織を設けるとしている。
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