女子大生が外銀マン合コンで、ひどい現実を思い知るまで【西麻布のリアル】

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 ライター、合コンコンサルタントとして数々のウェブメディアで連載を持ち、テレビや雑誌などの出演でもおなじみのマドカ・ジャスミンさん。そんな彼女が、夜な夜な東京で目撃した男女の人間模様をドキュメンタリー形式で綴ります。

 第2回目は、上京して1年、20歳の女子大生アイちゃん(仮名)の物語です。六本木、西麻布でさまざまな男たちと逢瀬を重ねてきた彼女にある日、運命の出会いが訪れます。ところが、その結末は、運命の出会いどころか――。

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◆金曜の西麻布、「外銀との合コン」

 念願の東京の大学に受かり、上京して一年。仲のいい友達が社会人との交友関係が広いのもあって、今まで足を踏み入れたことがなかった六本木や西麻布などに行くことが段々と増えていった。

 とはいっても、お店は西麻布の「リストランテ イル バンビナッチョ」や「博多もつ鍋 幸」、あとは「ジ・イノセントカーベリー」だったり。噂に聞いてたような怪しいお店だったことはないし、女子大生というだけでチヤホヤしてくれる男のひとたちに、当初は「社会人の話を聞きながら、おいしいご飯とお酒を楽しめるなんて…」と少しの戸惑いと驚きを感じてた。けれど、それも回数を重ねるうちに綺麗さっぱり消えていった。

<ここに20時で♪ 相手は外銀のひとたちみたい!!>

 いつものように友達からLINEで「食べログ」のURLと可愛い絵文字が送られてきた。URLをタップし、以前は気にもしなかった星の数を見る。「評価ビミョー」なんて思いながらも、内装や料理の写真をざっと確認。場所は西麻布。曜日は金曜日。こう返信した。

<りょーかい(*´▽`*) 渋谷からタクっていこ!>

 スクランブル交差点でタクシーに乗り、着いた先は星条旗通りの途中。いつもの会場と少し様子が違う。扉らしき扉がない。たぶん扉だろうと思う壁はあったけど、開け方がまるでわからない。頭上にはてなを浮かべていると、友達が何かを見つけたらしく、壁についたインターホンを押していた。

 壁が動き、次はブルーに照らされた水の壁が出てきた。壁は2つに分かれ、店内は赤い間接照明がやっと足元を照らすだけで暗い。人工的な香りがやけに鼻につく。

◆1組、また1組と消えていく

 店員に案内され、辿り着いた先は赤い革張りのソファが並ぶ個室だった。そもそも、一並びのバーカウンターを除いて、個室しかない造りの店だった。

 ソファには1、2回ほど席を共にしたことがある女の子2人が座っている。その間に、深い青に細かいストライプの入った仕立てのいいスーツの男が1人、別のソファに同じような男がもう2人座っていた。“外資系銀行のひとたち”だ。

「おお、来た来た」「ちょうど乾杯のシャンパンを頼もうとしてたんだよ」

 この辺りでよく聞くシャンパンの銘柄とグラスの数を店員に告げる。今日は4:4らしい。

 今や毎週のように見るぷつぷつと踊るシャンパンの泡に、ほんの少し前までは感動していたのに。(シャンパン酔うんだよなー)と注がれていく液体をボーっと見ていると、扉が開いた。

「遅れました! ごめんなさい!」

 彼が申し訳なさそうに笑う。視線が合うと、「乾杯」と顔を緩める彼。顔がめちゃくちゃ整ってるわけでもないけど、成宮寛貴を思わせる笑顔はとてもチャーミングで……ここ最近感じてなかった“ときめき”を感じてしまったのだ。

 会はどんどん盛り上がっていった。空になるシャンパンボトルに増えるショットグラス、女の子たちが少しだけ手を付けた料理は早々に下げられ、酒類だけがテーブルを占拠している。そのうちに、ふと気づいた。

(あれ? 2組いない…)

 男女2組が消えている。