「激痛すぎてアラサー病院で泣きました」。今、人気のお笑いタレント、渡辺直美(29)がこうツイッターで訴えたのがきっかけで、魚介類につく寄生虫『アニサキス』の怖さが注目されている。

実は、アニサキスによる食中毒が急増中だ。厚労省によると、2007年に6件だった報告が2011年ごろから増え始め、2016年には124件と20倍も報告されている。ところが、国立感染症研究所では「20倍は氷山の一角、年間7000人の患者が出ている調査もある」と指摘しているのだ。

では、どんな魚介類に寄生し、なぜ今急増し始めたのか?どんな予防策があるのか?自らも被害に遭ったという西村綾子リポーターが取材し伝えた。

サバ、イワシ、アジなど魚ならなんでも

寄生虫のアニサキスが一番多いのはサバ、次にイワシ、アジ、イカ、サンマとごく一般的に食卓にのぼる魚で、160種類以上から見つかっているという。

これらアニサキスが寄生している魚介類を刺身で食べると、この寄生虫が胃壁に噛みつくために激痛が走り、それに伴い吐き気に襲われる。下痢症状がないのに激痛に襲われたらアニサキスを疑って間違いない。アニサキスは1〜2日で胃の中で死滅するが、それまでは激痛が続くという。

国立感染症研究所の杉山広医師によると、ここにきて急増している背景は2つ。

一つは、2013年に食品衛生法が改正され、医師がアニサキスによる食中毒を確認した場合、保健所への届け出が義務付けられたこと。もう一つは輸送手段が向上し、遠隔地から魚介類が新鮮な状態で消費地に入るようになったこと。数年前までサンマの刺身が東京の店頭に並ぶことはなかったが、今は当たり前になっている。

防止策で一番有効なのは「60度以上で1分間以上過熱するか、マイナス20度以下で丸1日以上冷凍すれば死滅する」という。アニサキスは肉眼でもわかる細長い寄生虫で、刺身などはよく噛んで食べれば死んでしまうという。

万一罹った場合は、内視鏡設備のある病院に電話し、胃の中を空にしてから尋ねるのがいい。医師に内視鏡でアニサキスを確認してもらい鉗子で取り除いてもらえば数十分〜1時間で痛みはとれるという。

ただ、3年前に釣ったサバを自ら捌き刺身で食べたら翌日から激痛の襲われたという西村リポーターは「医師に取り除いてもらった後もアニサキスが噛みついた傷の痕が残り、痛みが2〜3日続いた」と話す。