9日、中国メディア・新華網は、中国政府が制定を進める「国歌法」に関する記事を掲載した。写真は国歌が書かれた切手。

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2017年5月9日、中国メディア・新華網は、中国政府が制定を進める「国歌法」に関する記事を掲載した。

記事によると、中国人民代表大会のウェブサイトでこのほど発表された「人民代表大会常務委員会2017年立法計画」の中に「国歌法」の制定があるという。国歌に関しては2014年末にも中国共産党中央弁公庁などが「国歌の演奏・歌唱マナーに関する実施意見」を配布していたが、立法には至らなかった。ただ、全国政治協商会議の委員からは「国歌は国の第一の声であり標識。法的な保護を受けるべき」との声が出ていた。

記事は、「国歌法」の制定の意義について、「国歌のより正確な運用に利するもので、法的な手段で厳粛さやマナーを欠いた使用による国歌の尊厳を損なう行為を抑制し、国歌があるべき尊重と愛護を受けられる」と説明している。また、最も重要な点として「愛国教育」を挙げ、「人々が国家の歴史に注目し、義勇軍や九・一八(柳条湖事件)を忘れず、さらに国歌の中に中国の精神と民族の感情を凝縮させるもの」としている。

国歌法の制定の動きについて、中国国内では「国歌を歌い間違えたら違法になるのでは?」との懸念が出ているが、同法の制定を主導してきた于海(ユー・ハイ)氏は「誤解だ」と強調。「同法は公式の場において国歌に敬意を払うことを定めるもので、個人が歌えないからといって違法になるものではない」としている。

一方で、「国歌が冠婚葬祭やパーティー、商業施設のオープン、さらには低俗なイベントなどでも乱用されている」と指摘。国歌を携帯電話の着メロに設定したり、勝手に歌詞を変えたり、公衆の面前で故意に国歌を侮辱したりすること、また故意ではなくても一部の職場や機関において、紙に書いて張り出したり、放送したりした国歌に誤りがある場合などは、法的責任を追求される可能性があるという。

なお、記事では中国以外の国についても紹介しており、「国旗や国章に関する法律がある国は多いが、国歌に関して法律を定めている国は少ない。ロシア、カナダ、マレーシアなどの国では国歌法を制定しており、日本、シンガポール、ミャンマー、フィリピンなどは国旗などとともに国歌の象徴としてまとめて法律を定めている」と伝えた。(翻訳・編集/北田)