9日、韓国の第19代大統領選の投開票が行われ、革新系の「共に民主党」文在寅氏が当選、10日朝の中央選挙管理委員会による選挙結果の発表を受け、正式に韓国大統領に就任した。写真は開票速報を伝えるソウル・光化門広場の公開放送。

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2017年5月9日、韓国の第19代大統領選の投開票が行われ、革新系の「共に民主党」文在寅(ムン・ジェイン)氏が当選、10日朝の中央選挙管理委員会による選挙結果の発表を受け、正式に韓国大統領に就任した。

9日夜、ソウル中心部の光化門(カンファムン)広場では開票速報を伝える中継放送が行われた。雨が打ち付ける中、1000人を超える市民らが傘を差し、雨具を羽織って広場に集まり、中継を見守ったという。そして文氏優勢が伝えられると、聴衆からは歓声と「文在寅」コールが沸き起こった。

光化門広場は、前朴槿恵(パク・クネ)政権を退陣に追い込む原動力となった市民集会「ろうそくデモ」のいわば「震源地」だ。韓国・ノーカットニュースは、「1500万のろうそくがともった」広場にこの日集まった家族や恋人たちがそろって「新たな出発」を願っていたとし、市民の声を伝えている。

ろうそくデモにほぼ毎回参加してきたというイムさん(40)は「4年間浴びせられた汚物を拭ってくれる人を待っていた。常識的な国になればうれしい」とし、ソウル市内に住むチェさん(56)は「大統領は国民をだましてはならない」として、国民を信じる大統領を望むと語った。また37歳のチョさんは文氏勝利を「ろうそくの心を込めた結果」として、「労働者など社会的弱者に対する政策が以前の政権より良くなると期待している」と話した。

一方、日本人が気になる韓国新政権下の日韓関係について、韓国ではどう捉えられているだろうか。韓国の主要メディアはそろって、安倍晋三首相が9日夜、文氏の当選を祝い「できるだけ早い機会」の会談を提案したことを報じたが、特に韓国で注目されているのは、文大統領が選挙公約で掲げていた「慰安婦問題に関する日韓合意の再交渉」についてだ。

安倍首相は9日夜のコメントで慰安婦問題に触れなかったが、韓国・マネートゥデイが「日本政府は文政権との再交渉は行わない立場を示している」とした記事にはネットユーザーから3000を超えるコメントが寄せられ、「どうかしてるよ。全面無効だ」「再交渉しないのはそっちの考えでしょ」「わが大統領とは意見が合わないね」「それなら10億円は持って帰れ」「再交渉しないなら合意破棄するしかない」など勢いづいた声が多数の共感を集めている。

また、慰安婦問題に言及せず安倍首相の祝意のコメントを報じた記事にも「もう1回合意をやり直さないとね」「10億円は返してやるから、ちゃんと謝る準備でもしなさい」などやはりこの問題に関するコメントが並び、中には「お祝いなんて、どうせ口先だけ」との冷ややかな声もあった。(編集/吉金)