連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第6週「響け若人の歌」第32回 5月9日(火)放送より。 
脚本:岡田惠和 演出:田中正  

32話はこんな話


銭湯の帰り、みね子(有村架純)ほか乙女たちは、それぞれの休日の話を振り返る。
そして、数日後、綿引正義(竜星涼)は、みね子の父(沢村一樹)を見たという人物に出会い・・・


銭湯帰り


お風呂のなかで語り合うっていうサービスシーンはさすがにないようだ(当たり前)。
駄菓子屋さんの脇に座って、ラムネを飲みながら、乙女たちはそれぞれの休日を報告し合う。

時子(佐久間由衣)はNHKへ突撃していた。
入り口に飾ってある看板は、「泣くのはいやだ、笑っちゃおう」の「ひょっこりひょうたん島」(左)と黒柳徹子が声をやっていた「ブーフーウー」(右)。

ドラマのオーディション案内をもらってきた時子を、豊子(藤野涼子)が心配する。
図書館で読んだ小説に女優を目指す女性が騙されて踊り子になる話があったからだそうで、その小説とは何だろう。「伊豆の踊り子」のヒロインはもともと旅芸人だし、ゾラの「ナナ」は、女優から高級娼婦だからちょっと違うか。
ちなみに、高度成長期を描いて大ヒットした映画「ALWAYS三丁目の夕日」の続編「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(07年)では、主人公の小説家・茶川(吉岡秀隆)が、居酒屋をやっていたが父親の借金のカタに踊り子(ストリッパー)になってしまった。想い人(小雪)のことを書いて芥川賞候補になった小説は「踊り子」だった。
幸子(小島藤子)の恋人は社会派らしく、貧しい民衆の視点に立った話をするので、女子としては退屈してしまう。その愚痴をまくしたてる。
奥茨城村時代は、言葉数も少なく、口調もゆったりしていたが、東京に来て、言葉の分量とリズムが変わって来た。みね子もだんだん語彙が豊富になって早口でまくしたてるようになるんだろうか。それはちょっとさみしい気もしないでない。

今日の、名台詞の収蔵庫に保存決定


「すごいしゃべったね幸子さん、見事な長台詞だった、勉強になる」
恋人の愚痴を一気にしゃべった幸子のことを妙に感心する時子。勉強熱心だ。

岡田惠和が「最後から二番目の恋」で多用していた女子弾丸トークが、「ひよっこ」でも発揮されはじめた。
岡田の朝ドラ前作「おひさま」の女子3人もかしましかった。

「ひよっこ」の岡田は、みね子の心の声や、劇的な長台詞に関して、解説を加える。
メタ手法といえばそれまでだが、なぜ、心の声を書くのか、なぜ、長台詞を書くのか、ってことをちょっと立ち止まって考えさせてくれる脚本になっているような気がする。

それぞれの手紙


集団就職組は、家族にはがきを出す。
みね子は心から充実した内容を。
時子はあっさり。長台詞のような手紙を書くところから勉強したらいいのでは。
三男(泉澤祐希)は「とてもやりがいのある仕事を任されて責任重大です」と書く。
“やりがいのある仕事”とは、ケンカばかりしている米屋の父娘の間に立つ仕事を皮肉ったものだ。
ふたりきりにならないように三男は雇われたのだった。
故郷の家族に愚痴を書いて心配させるわけにもいかないからそう書くしかない。三男、お気の毒。
それにしてもこの父娘面倒くさい。ちょっと夫婦喧嘩みたい。

そして気になる、お父さん。見つかるの? 33話はどうなるの!
(木俣冬)