米ニューヨーク市内ブライアントパークにある高級な公衆トイレ(2017年5月9日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】クラシック音楽、額に入った水彩画、花器にどっさりと生けられたみずみずしい切り花――米ニューヨーク(New York)一の高級な公衆トイレにようこそ。25万4000ドル(約2900万円)をかけて改装されたこのトイレはチップ不要。利用するのにお金は一切かからない。

 内部をすっかり改装されたこのトイレが再びオープンしたのは4月下旬。5番街(Fifth Avenue)のブライアントパーク(Bryant Park)内のニューヨーク公共図書館(New York Public Library)の裏にあるボザール建築様式のこのトイレ。利用者は年間100万人以上と見込まれている。

 磁器製タイルは欧州からの輸入品。ポリエチレン製の便座カバーは手をかざすだけで回転して新しいものに交換され、エアコンで換気も行われている。有線で管弦楽曲が流れ、自動フラッシュの音もほとんど聞こえない。

 公衆トイレといえば大半は汚いところばかりだが、それとは対極にあるこのトイレの経費年間27万1000ドル(約3000万円)の内訳は、運営費と、2人1組のシフトで常にトイレをぴかぴかに保つ清掃員らの人件費。スポンサーは、この公立公園に資金提供を行っている民間団体、ブライアントパーク・コーポレーション(Bryant Park Corporation)だ。

 休暇でサンフランシスコ(San Francisco)からニューヨークを訪れた元会計士のパム・ブラウン(Pam Brown)さんは、「本当に豪華!」と驚きの声を上げた。

 トイレの入り口は立派な邸宅の玄関を思わせ、巨大な鏡の前に置かれた石でできた花器の花は週に2回、業者が入れ替える。女性用トイレには、赤ん坊のおむつ交換台のほか、無料で提供される生理用品、スカートの裾がまくれているのを直すための等身大の鏡もある。

■あら探しが好きなニューヨーカーの声は?

 利用規則は簡単明瞭だ。ニューヨークの公衆トイレはどこでもそうだがチップを払う必要はなく、喫煙、唾吐き、歯磨き、洗濯、列の割り込みは禁止されている。

 壁の水彩画はどれも原画。ブライアントパークをイメージして絵を描いてもらう「地元に住む画家プロジェクト」の厚意によって飾られている。

 清掃員として働き始めて今年12月で7年になるアントワネット・スモールズ(Antionette Smalls)さんは、「皆さん、ここから出て行きたがらないんですよ」と明かした。「中には、自分の家のトイレより清潔だって言う人もいるくらいです」

 だが、何でもあら探しをせずにはいられないのがニューヨーカー。「すごく狭い」と文句を言う人もいれば、「もう少しモダンな方がいい」と注文を付ける利用者もいる。
【翻訳編集】AFPBB News