北朝鮮・シリアはリスクオフの再燃になるのか、5月10日のドル円為替

写真拡大

 5月9日21:30(すべて日本時間)についに1ドル114円を突破した。フランス大統領選挙や朝鮮半島問題の緊張感が緩和されたため、市場はリスク選好となっていたためだ。韓国の19代大統領も「共に民主党」の文在寅氏に決定した。無事に選挙は終わったのだ。懸念されているような有事の事態にはならなかった。5月10日2:15には1ドル114円33銭の高値をつけることになった。しかし、9:30時点では大きく1ドル114円を下回っている。なぜだろうか。

 FRB高官のコメントが次々と発表された。5月9日23:00のカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は特に材料とはならなかったが、5月10日0:40のジョージ・カンザスシティ連銀総裁からは「緩やかな利上げを遅らせるのはリスク」「バンスシート縮小を支持」とのコメントが聞かれた。ドル買いの材料となり1ドル114円を突破することになる。その後、2:06にハト派寄りのローゼングレン・ボストン連銀総裁が「政策金利は歴史的基準から見てまだ低い」とコメント。ドル買いに拍車をかけて直後に高値の1ドル114円33銭まで上がった。堅調にドル高が進み、このままの流れだと115円も見えてくるような状態であったが、一転するニュースが流れる。

 4:36ごろにイギリスから「北朝鮮が6回目の核実験に踏み切る」とのショッキングな報告が入ると、1ドル113円78銭まで急落。さらにトランプ大統領がクルド人民防衛隊(YPG)に武器供給することに合意したとの報告もあり、地政学リスクが高まっている。

 6:00にはカプラン・ダラス連銀総裁が「低金利は経済的不均衡を助長している」とのコメントを発表したが、市場はリスクオフの傾向にあり、ようやく1ドル114円まで戻すものの、6:50ごろにトランプ大統領がFBI長官解任を報告して再びドル売りになっている。9:00には1ドル113円63銭まで下がった。

 北朝鮮・シリアをめぐる情勢の変化に注目が集まっている。突発的な大きな変動に備えたリスク回避も必要になるだろう。