写真提供:マイナビニュース

写真拡大

●「REALIZE」の4つの柱
米Dell Technologiesは、5月8日〜11日(現地時間)、米ネバダ州 ラスベガスで「Dell EMC World 2017」を開催した。今回の「Dell EMC World 2017」のテーマは「REALIZE」だ。DELL/EMC統合の初の「Dell EMC World」は、昨年10月、米テキサス州 オースティンで開催したが、今後は以前のEMC Worldと同様、5月にラスベガスで開催される予定だ。

昨年10月に米国オースティンで開催された「Dell EMC World」のテーマは「LET THE TRNASFORMATION BEGIN(変革を始めよう)」であった。それが今回、「REALIZE」(実現する)と一歩進んだテーマになっているが、これには、「改革を顧客にとってよりリアルなものにしていこう」という狙いがあるという。

そのためには、デジタルトランスフォーメーションをITトランスフォーメーションにしていくことが重要だという。

この点について、DELL CMO Jeremy Burton氏は、「デジタルトランスフォーメーションは経営層向けのものだが、ITトランスフォーメーションはアプリケーションの改革だ。これによって、Workforceトランスフォーメーション(働き方改革)を実現でき、どこでも仕事ができる。そのためセキュリティも重要になる」と説明した。

そして、同氏は今回のテーマである「REALIZE」においては、「デジタルトランスフォーメーション」、「ITトランスフォーメーション」「WorkForceトランスフォーメーション」、「セキュリティトランスフォーメーション」の4つが柱になるとした。

5月8日のゼネラルセッションにはDell Technologies 会長兼CEOのマイケル・デル(Michael Dell)氏が登壇。同氏は上記の4つのトランスフォーメーションについて次のように説明した。

「どんな業界でも、最新のテクノロジーを活用しているスタートアップ企業と戦っていかなければならない。マルチクラウドサービス時代に、パブリッククラウドのみという選択をすればおそらく競争力を失うだろう。企業はまず、ITトランスフォーメーションを行っていかなければならない。デジタルトランスフォーメーションではITの変革だけでなく、Workforceの変革も行う。最終的にはエンドユーザーまで情報が活用できなくてはならない。Workforceは、いろいろな場所で、いろいろな時間帯に働く働き方だ。また、すべての環境において、セキュリティを確保することも重要だ。セキュリティリスクはみなさんのデジタル変革を邪魔するものになりかねない。デバイスの数が爆発的に増え、世界はよりつながっていく。セキュリティはサイロ化した形で見るのではなく、包括的に見ることが重要だ。セキュリティリスクはビジネスリスクだ」

また、デジタルトランスフォーメーションの意義について同氏は、「自分のビジネスの再創造することだ。世界の中でデジタル化から逃れられる国はない。テクノロジーと人は敵対するものではない。過去において、テクノロジーが人の仕事を奪った時期もあるが、私はテクノロジーは人のキャパシティを拡張してくれるものだと考えている。最近はテクノロジーの変化が早く、スキルや人も変わらなくてはいけないというチャレンジもあるが、テクノロジーによって素晴らしい天国のような状況がもたらされるはずだ」と述べた。

そして、DellとEMCの統合のメリットについては、改めて次のように説明した。

「デジタルトランスフォーメーションを実現にするためにDell Technologiesをつくった。DELL EMC、Pivotal、RSA、SecureWorks、Virtustream、VMwareをあわせることで、1つの連携したビジネスにできる。これによって我々はスタートアップのようなイノベーションを起こし、世界最大の企業規模を活用することができる。我々はPCでも、サーバでも、ストレージでも、仮想化でも、セキュリティでもNo.1であり、これらがみなさんの投資を最大化する。Dell Technologiesはデジタルトランスフォーメーションパワーの増幅器だ。変化のスピード、創造力によって多くのデータが作られ、これらのデータをディープラーニングやAIによって分析することで、継続的な改善ができ、我々のビジネスや生活を新たにしていくことができる。これこそが第4次の産業革命であり、人類の大躍進のみなもとになる。自動運転、電気自動車、宇宙探査が現実的になっており、我々はこれらの革新に必要なインフラをつくっている。次なる産業革命のインフラだ」

また、午後のプレス向けのQ&Aセッションで、直販からパートナービジネスにシフトしていくのかという記者からの問いに対して同氏は、「直販とパートナーの両方が重要だ。現在はパートナーの売上がほとんどだが、どちらを伸ばし、どちらを下げるということは考えていない、両方伸ばしていく。パートナーはノウハウをもっており、我々には素晴らしいパートナーがいる。EMCとDELLの統合について、パートナーからの反応は非常にいいものであった。パートナープログラムは我々の成功の大きな要因だ」と回答した。

●ハイブリッドクラウド向けの新製品を発表
マイケル・デル氏に続いてゼネラルセッションに登壇したDell EMC プレジデント デビッド・ゴールデン(David Goulden)氏は、ITトランスフォーメーションを実現するのは、ハイブリッドクラウドだと指摘した。そして、それには3つのステップがあるという。

1つ目はデータセンターの近代化、2つ目はITサービスの自動化、3つ目はITオペレーションの変革だという。

その上で同氏は、データセンターの近代化に役立つ新製品をいくつも紹介した。

最初に発表したのは、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)である「VxRail 4.5」。この製品は、同日発表された 第14世代となるサーバ製品「Dell EMC PowerEdge」がベースで、最新のvSphereが搭載されている。また、最低価格は25,000ドルからになるという。そのほか、Cloud FLEXという月払いが採用でき、1年後は利用を延長していいし(延長の場合は価格が下がる)、返却も可能だという。

同氏は「VxRail 4.5」を、「中小企業や支店などにぴったりの製品だ」と紹介。月払いの採用については、「クラウド的な支払いモデルにするために採用した。顧客が購入の際、支払いで悩んでいることを解決するためにこのオプションを設定した」と述べた。

また、データセンターの近代化のために作られたという第14世代(14G)となる「Dell EMC PowerEdge」も発表。これは、夏に登場予定のインテルの最新CPU(XEON)を搭載する。

14Gは新しいデータセンターの基盤になるように設計されており、スケーラビリティはサーバあたり50%アップで、セキュリティを内蔵しているという。

そのほかストレージでは、ミッションクリティカル向けのオールフラッシュストレージアレイ「VMAX 850F」の後継となる「VMAX 9500F」や、オールフラッシュのエンタープライズフラシュアレイ、「XtremIO」の次世代製品「XtremIO X2」、スケールアウトNASである「Isilon」の次世代モデルも発表した。

950Fは850Fと比較して、IOPSが68%、レスポンスタイムは30%向上し、4PBまで拡張でき、「XtremIO X2」は新しいハードウェアとインテリジェントに強化されたソフトウェアの強力な組み合わせにより、応答時間を最大80%短縮し、新しいデータ削減機能によりデータの削減率を25%向上し、クラスタあたり2倍のコピーをサポートするという。また、VDIの同時稼働数を40%拡大している。

「Isilon」の次世代モデルでは、オールフラッシュも可能で、現状世代に対してIOPSは6倍、集約密度の改善でスペース効率は75%向上しているという。

(丸山篤)