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半導体市場調査企業である米IC Insightsは5月9日(米国時間)、2017年第1四半期(1〜3月期)の半導体企業の売上高ランキング・トップ10を発表した。

この売上高は、ICのほか、非ICと呼ばれるCMOSイメージセンサやレーザーなどのオプトエレクトロニクスデバイスやセンサ、ディスクリート(O-S-D)なども含んだもので、トップ10社を本社所在地で分類した場合、米国が4社、欧州が2社、韓国が2社、シンガポールならびに日本が各1社となる。この10社の合計売上高(560億ドル)は、世界の半導体市場全体の売上高(996億ドル)の56%を占めている。IC Insightsでは、第2四半期に、調査を開始して以来、初めて四半期単位の市場規模が1000億ドルを超す見通しを示している。

○メモリ市場の好調を受け、MicronとSK Hynixの順位が上昇

首位のIntelは、2017年第1四半期もその座を守ったものの、2位のSamsung Electronicsとの差は、4%程度と、かなり競ったものとなっている。先だってIC Insightsでは第2四半期のSamsungの売上高がIntelのそれを追い抜く可能性を報じているが、Samsungに限らず、DRAMおよびNANDの価格高騰がメモリメーカーの業績を押し上げており、SK HynixやMicron Technologyも2016年のランキングから順位を2つずつ上げ、3位と4位にランクインするなど、好調さが目立っている。

また、車載関連ビジネスが好調なInfineon Technologiesが久しぶりのトップ10入りを果たした。代わってランクとなったのはMediaTekで、前年同期比の伸びを比較するとInfineonが6%増、MediaTekが同7%増とMediaTekのほうがInfineonより高かったものの、前四半期比で17%減と大きく落ち込んだことが影響した模様だ。この落ち込みについては、スマートフォン市場の減速の影響が大きいと見られており、同様にスマートフォン用アプリケーションプロセッサを手がけるQualcommも順位を2016年通期から3つ下げて6位となっている。Broadcomも2016年通期と比べて順位を下げているものの、スマートフォンの影響が少ない分、Qualcommを抜いて、久しぶりにファブレス半導体企業としてのトップの座に返り咲いた。

○唯一の日本勢となった東芝は8位を維持

日本がDRAM一色に染まっていた1993年、トップ10ランキングにはNEC、東芝、日立製作所、三菱電機、富士通、松下電器産業(現:パナソニック)の6社が入っていたが、年々、その数を減らし、最新版となる2017年第1四半期では、東芝のみになってしまった。同社は、ほかのメモリメーカーのように値上がりが特に進んでいるDRAMは取り扱っていないこともあり、順位は2016年通期と同様となる8位に留まった。なお、2017年通期でみると、QualcommによるNXP Semiconductorsの買収が完了する見通しであるほか、東芝から分離された東芝メモリの売却も避けられそうにない、といった順位変動を引き起こすであろう動きがすでに想定されている。もし、今後、さらなる大型M&Aが生じれば、半導体売上高ランキングはより大きな変化を生み出すことも考えられる。市場成熟への道を進む半導体業界にとって、2017年は大きな転換点となる可能性がでてきた。

(服部毅)