「ニコニコ超会議」での「VR蓮舫」の様子(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

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 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 東京都議会議員選挙が7月2日に迫り、都内では候補者たちの宣伝カーや街頭演説を見かけるようになりました。今回は、早い段階から公明党が自民党ではなく、小池百合子都知事率いる「都民ファーストの会」との選挙協力を決断するなど、国政と都政のねじれも問題になっています。投票日まで2カ月を切り、動向が注目されます。

 そんななか、国会議事堂本館に隣接する衆議院分館で、自民党都連所属の議員たちの会合がありました。大手新聞の世論調査で、都民ファーストの獲得議席数が過半数の見込みとの結果が出たことで、都連の議員たちは委員会室奥の小部屋で頭を抱えていました。自民党の獲得予想は3分の1、民進党に至っては限りなくゼロに近い数字だったのです。

「大きな方針転換をしないと、来る都議選に立ち向かえない」「下村(博文)さん(都連会長、党幹事長代行)は頑固だし、公明党との仲がこのままでは都民ファーストに惨敗してしまう」「まずは、いい候補者を発掘しないと」などと話し合っていました。

 しかし、小池都知事の人気は本当に続いているのでしょうか。都民ファーストの候補者もパッとせず、スター性に乏しい人ばかりです。また、選挙に勝つためだけに民進党から都民ファーストに移籍した候補者も目立ち、新鮮さがまったく感じられません。

 さらに、築地市場の移転問題も放置されています。都庁内では、すでに「決められない小池さん」という批判の声が上がり始めています。実際、今も小池都知事のビジョンはまったく見えませんし、市場業者への損失補償金や豊洲市場の維持費で税金が湯水のように使われていることに、都民も不信感を持ち始めています。

 そのため、都議選が行われる頃には世論の雰囲気は大きく変わっているかもしれません。いずれにしろ、各党がしのぎを削る都議選は、最近では珍しいと思います。都民のみなさんは、ぜひ投票に行きましょう。

●5時間待ちのVR蓮舫、永田町では話題にもならず

 一方、民進党も人気回復の特効薬をなかなか見つけられずにいますが、4月29、30日に開催された「ニコニコ超会議」では、蓮舫代表の追及を擬似体験できるバーチャルゲーム「VR蓮舫」が話題になりました。

 このゲームは、専用ゴーグルをつけると目の前に蓮舫代表の映像が現れ、プレーヤーが首相になったという設定で厳しい追及を受けるというものです。追及されている3分間のプレーヤーの心拍数が測定され、動揺の度合いで「総理大臣適性度」が判定されます。

 あの調子で、「民進党の蓮舫です。本物の蓮舫です。イエスかノーかで私に答えてください。それが答えられないのだったら申し訳ございません。残念ながらあなたの答弁には納得できません!」などとガンガン言われ、ヤジや拍手もとてもリアルなのだそうです。

 神澤は絶対にやりたくないですが、なぜか人気は上々でした。報道によると、なんと5時間待ちの大行列で、2日間で250人が体験したのだとか。

 また、民進党の野田佳彦幹事長が実際に体験して、心理的動揺をほとんど示さない「A」判定を受けたことも報じられました。野田幹事長は「(叱責は)いつものことだから慣れてる」「(本当の国会では)かみ合う議論をしてほしい」とコメントしていました。

 実は、これにも“裏話”があります。事前の人気投票で1位となった4月初旬の時点では、VR蓮舫の構想は何も決まっていなかったのです。しかし、なぜか1位になってしまったのであわててコンテンツを考えた……というのが実態だそうです。

 そんな突貫作業でしたが、4月19日に行われた動画撮影では蓮舫代表はノリノリで、用意された台本にはなかったアドリブも飛び出したようです。もちろん、永田町では話題にもなりませんでしたが……。まぁ、野田幹事長のように、いつでも“生蓮舫”を見ていることに加え、そもそも求心力のない方なのでみんな関心がない、というのが正直なところでしょう。

●「蓮舫代表では選挙戦えない」…民進党、分党か

 一方、小耳にはさんだところでは、先日、赤坂のある中華料理店で秘密会議が行われ、民進党の議員たちが分党のタイミングについて協議したそうです。

 どうやら、「次の解散総選挙は蓮舫代表では戦えない」という結論になったようです。150億円ほどある民進党の資金も「離党」では受け取れなくなりますが、「分党」であれば分けることができます。この会議では、「150億円をどう分配するか」というところまで詰めていたそうですから、かなりリアリティがあります。

 すでに民進党内で蓮舫代表を解任するための署名を集める動きもあるようで、民進党の議員たちは、自分たちの議席を守るため必死に知恵を絞っているようです。

 VR蓮舫は、ふだん政治に関心のない人たちが政治に参加するための入り口として民進党が企画・制作したもので、確かにゲームとしては人気を博しましたが、それで支持率が上がるかといえば疑問です。その前に、蓮舫代表から離れてしまっている議員や党員の心をまとめる努力をすべきではなかったか、というのが秘書たちの本音です。

 民進党の秘書たちは、「もし分党したら、今まで一緒にがんばってきた秘書仲間たちとも、敵対関係になってしまうかもしれない」と、とても心を痛めています。

 ボスたちの都合に左右されるというのは、どこにでもある話ではありますが、議員の方々は秘書たちがそばで支えていることを忘れずに、冷静な判断をしてほしいものです。
(文=神澤志万/国会議員秘書)