北朝鮮当局は、外国人に対するイメージ戦略の一環として、平壌国際空港の周辺の古い住宅を取り壊して新しい建物を建てているもようだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

北朝鮮当局は昨年の秋以降、空港周辺で100棟以上の古い住宅を取り壊し、少なくとも7ヶ所でマンションを建設している。米ジョンズホプキンス大学のカーティス・メルビン研究員は、北朝鮮を訪れる外国人に現代化した平壌を見せることに目的があると分析している。

どうやら、外国人観光客が旅客機の窓から見下ろしたり、到着後に車で移動する際に見たりする風景が、現代的でなければならないと考えているようだ。

それ以外にも、元々は田畑だったところに新しい建物を建てたり、古い建物の外壁をきれいにしたりする作業を行っているが、それも同じ理由からだろう。

金正恩党委員長は2015年、平壌国際空港の新ターミナルの完成後に、空港と平壌市内を結ぶ高速道路と鉄道を建設し、円滑な交通を実現せよと指示しているが、その際に周囲の建物の現代化をあわせて指示したものと思われる。

しかし、北朝鮮当局によるこのようなプロパガンダは、これまで全くと言っていいほど効果を発揮してこなかった。

軍事境界線の北朝鮮側には機井洞(キジョンドン)という村がある。立ち並ぶ3〜4階建ての建物の窓にはガラスがはめ込まられておらず、居住者はいないと言われている。北朝鮮の「豊かな農村の暮らし」を宣伝し、韓国国民を北朝鮮への亡命に誘う目的から作られたものだ。

ところが皮肉にも、韓国と北朝鮮の経済的地位が完全に逆転した1980年代以降には、北朝鮮の貧しさを象徴する村となってしまっている。