中国政府は、核やミサイル開発を進める北朝鮮への圧力を強化する見返りとして、対中強硬派のハリス米太平洋軍司令官の更迭を求めたとする報道を否定した。だが米国内では、中国によるハリス司令官への中傷キャンペーンは以前からあったとの指摘が出ている。資料写真。

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2017年5月9日、中国政府が米政府に対し、核やミサイル開発を進める北朝鮮への圧力を強化する見返りとして、南シナ海問題などで対中強硬姿勢を示すハリス米太平洋軍司令官の更迭を求めたと日本メディアが伝えたことについて、中国外交部の耿爽(グン・シュアン)報道官は8日、「根も葉もない話だ」と一蹴した。だが米国内では、中国によるハリス司令官への中傷キャンペーンは以前からあったとの指摘が出ている。米ボイス・オブ・アメリカの中国語ニュースサイトが伝えた。

日本メディアは6日、米中関係筋の話として、中国の崔天凱(ツイ・ティエンカイ)駐米大使が、4月の習近平(シー・ジンピン)国家主席の訪米に合わせ、米側に要求したと伝えていた。

8日付の米紙ワシントン・ポストよると、ワシントンの中国大使館の報道官も「この報道はでっち上げだ」とし、「崔大使はいかなる場面でも米側にそのような要求をしたことはない」と語っている。

だがコラムニストのジョシュ・ロジン氏はワシントン・ポストに寄稿した記事で、トランプ大統領への移行期に、崔大使がトランプ大統領の娘婿のクシュナー氏にハリス司令官の更迭を求めたが、トランプ氏側はいかなる保証も与えなかったと指摘している。

記事によると、米太平洋軍のダリン・ジェームズ報道官は「これは中国政府によるハリス司令官への新たな中傷であるかもしれない」とし、「ハリス氏に向けた中国の宣伝は何年も前から行われていたが注目されていなかった」と述べている。

中国国営の環球時報は8日の社説で「ハリス司令官は対中強硬派で、中国人の多くが彼を嫌っている」とした一方で、「中国軍は近年、南シナ海と東シナ海で米艦隊と渡り合ってきたが、ハリス氏個人と力比べをしてきたわけではない」と伝えている。

トランプ政権発足後、南シナ海の係争海域に米軍艦船を送る「航行の自由作戦」は1回も行われていない。米紙ニューヨーク・タイムズは先週、米国防総省がこの2カ月間で3回、米太平洋艦隊からの同作戦に関する申請を却下していると報じている。

米太平洋艦隊のスウィフト司令官は8日、シンガポールで記者団に対し、米軍の航行の自由政策はトランプ政権下でも変更はないと述べている。(翻訳・編集/柳川)